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第234回定例セミナー報告


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第234回定例セミナー【報告】

「フィランソロピー☆ナイト」
実施日: 2008年12月22日(月)
会 場: 日本アムウェイ合同会社 B1 オーディトリアム
特別協賛: 日本アムウェイ合同会社
協 賛: アサヒビール株式会社
二〇〇八年最後となる定例セミナーは、一年間の仕事の疲れを癒す「ほっと企画」として、写真家・管洋志さんによる講演と、ピアノパラリンピックの応援コンサートという、二部構成で開催しました。 管さんは、社会貢献ご担当の方にとっては、乙武洋匡さんの書著「五体不満足」の表紙写真や、JVC(日本国際ボランティアセンター)のチャリティーカレンダーでもお馴染みです。 ここ数年は奄美大島に魅せられて、東京と島を何度も往復されながら、写真集「奄美 シマに生きて」を出版されました。クルマですれ違う時にも挨拶をしたり、「慶弔での包みや飲み会の勘定は、全部一律三千円」という素朴で気取らない島の人々の暮らしをお話いただき、とても羨ましく感じました。本当の意味での「持続可能な社会」というのは、私たちがこれまでに捨ててしまったものの中にヒントがあるのかも知れません。
 第二部は、来年カナダで開催される障害のある人たちによるピアノの世界大会「ピアノ・パラリンピック」応援コンサートとして、四人の演奏家によるピアノコンサートが行われました。 この「ピアノ・パラリンピック」は迫田時雄先生(元武蔵野音楽大学助教授)が始められた活動で、二〇〇七年暮れにはカーネギーホールで演奏会を行ない、その高い技術とひたむきな演奏でニューヨークの人々を驚かせたといいます。 演奏の最後には、ちょうど来日中だったカナダの「黄金の左手」、ラウル・ソーサ氏に特別ゲストとしてご出演いただき、その超絶技巧を間近で体験することができました。

●第一部
 講演会: 「奄美から見た人間社会」
 講 師: 管 洋志(すが・ひろし) 氏 (写真家)
1945年博多生まれ。博多祇園山笠で育ち、“山笠のぼせ”の男達に囲まれ、人間のタテ社会を知る。 大学時代、幇間、故悠玄亭玉介師匠の運転手をしながら、芸伎界に働く、幇間と芸者そして女将さんの人間模様をドキュメント。 日本大学芸術学部写真学科の卒業制作として発表。1969年から始まったアジアへの旅で、各地で出会ったアジア人の強い生活力と 生き様に触れ、“人間写真”を撮ることを目指す。27歳のとき、終わることのない人間への興味から、“人間の生き様”を追及しようと、 日本全国60ヶ所以上のストリップ劇場の楽屋を訪問し、ライトマンをやりながら、踊り子の舞台裏を撮り、「花のヴィーナス86人衆」を 発表。アジアと日本の往復運動をしているうちに、共通するコスモロジーの存在に魅かれ、写真表現をもって、日本とアジアの神意識、 自然感をベースに撮影、発表し続けている。 三菱商事株式会社や日本アムウェイ合同会社など、企業の社会貢献プログラムにも積極的に参加。
NPO法人日本障害者ピアノ指導者研究会では、カナダでの世界大会に向けた支援金を広く募っています。
 http://ipd-piano.sakura.ne.jp/

●第二部
ピアノパラリンピック応援コンサート
お 話: 迫田 時雄(さこだ・ときお) 氏(NPO法人日本障害者ピアノ指導者研究会会長)
--- 曲 目 ---
岩崎 花奈絵(いわさき・かなえ)
・サンサーンス/ 白鳥
・スメタナ/ 交響詩「わが祖国」より“モルダウ”
清水 麻由(しみず・まゆ)
・ハイドン/ピアノソナタ Hob.Х・・/35   
桑原 良恵(くわばら・よしえ)
・エンヤ / オンリー・タイム
床次 佳浩(とのなみ・よしひろ)
・フェリックス・リビツキ/左手のためのエチュード
 OP.54-15
特別ゲスト: ラウル・ソーサ(Raoul Sosa)
・BACH-BRAHMS Chaconne in d minor
・ALEXANDER SCRIABIN Prelude and Nocturne Op.9
・MOSZKOWSKI Six Etudes op. 92
- in C major  - in E flat major
- in A minor   - in D flat major
- in E minor   - in B flat minor

ラウル・ソーサ Raoul Sosa
ピアニストであり、作曲家、指揮者として活躍するラウル・ソー サ氏は、ザルツブルグ、パリなどで学んだ後、数多くの国際コンクールで受賞し、1978年にはカナダ音楽評議会よりベストリサイタル賞を受賞。指揮者としてもモントリオールのオーケストラの芸術監督を務め、その他多くのオーケストラも客演指揮者としても活躍。
その頃、転倒で神経を痛め右手で演奏が出来なくなり、左手での演奏を始め、自ら作、編曲した曲でリサイタルを行なう。そして「ソーサが戻ってきた」と賛美された。過去の日本公演でも彼の演奏は 「黄金の左手」と称えられた。現在モントリオール音楽大学教授。