連載コラム/富裕層「あ・い・う・え・お」の法則
第27回
私にとっては今年は海外出張がとても多い年でしたが皆さんにとってはどのような年だったでしょうか。政局の混乱も続くでしょうし、中小企業円滑化法が延長されないことによる企業倒産が増えそうな来年に向けて、残り少なくなった今年の時間をできるかぎり有効に使っていきたいものです。私自身は1年以上前から温めてきたフィランソロピーに関するプランを実行にうつすべく最後の調整をしています。ひとつは、久しぶりに富裕層向け雑誌として手がける Millionaire Asia の日本版の発行の中で企画している、「富裕層Xフィランソロピー」。2つの方向性があって、被災地などへの「クラウドファンディング富裕層版」がそのひとつ。Millionaire Asia のメンバーシップサイトの中にクラウドファンディングシステムを導入し、各案件に対して実弾となるマネーを供給していくコーディネートをはじめていきます。社会的にもっとも望まれていることだと思いますので、日本フィランソロピー協会との連携も欠かせないものと思っています。もうひとつは、「ベンチャー企業X富裕層マネー」。ベンチャー企業の資金調達も最近では多様化していますが、まだまだエンジェルからの資金調達の仕組みが整っているとは言いがたく、この分野のコーディネートに本格的に取り組み始めます。自社事業として本業とリンクした形をとらないとなかなか継続していかないなと感じていたこともあるので、あまり焦らずまずは1件ずつ手がけることをイメージしています。
CSRに関しては、CSR.ne.jp(CSRネットワーク)というサイトを立ち上げ、日本フィランソロピー協会と連携しながら企業CSRの望ましい姿、社会貢献に対する望ましい姿、などを研究していく所存です。こちらもまずは1件具体的に動かしていければと思います。
と、さまざま考えておりますが、日本人富裕層のみならずアジアにお住まいのハイネットワースの方々のマネーにリーチできるような仕組みにぜひしたいですね。この原稿執筆中にJ2の大分トリニータのJ1昇格が決定しました。2年くらい前になんと大分県民の寄付だけで1億円以上ものお金が集まって、チーム運営が可能になったんだそうです。とてもいい話です。このような流れを壊すことなく、フィランソロピーにおける「One Asia」の仕組みづくりにまい進していこうと思います。
来年は日本フィランソロピー協会の各イベントにも積極的に参加して皆さんとお会いする機会も増やしていきたいと思います。フィランソロピーに関する富裕層リサーチもいくつか例がたまりましたので、それらを発表する機会にも恵まれれば。私も「あ・い・う・え・お」からまた始めます。ご一緒しましょう。
Have a happy new year !