ロゴ誕生の舞台裏

Latest Update:2021.4.15
 当協会のロゴは、株式会社リクルート(当時)の社会貢献に由来します。
 
 1996年、同社は「団体名を聞いただけではわからない公益団体のロゴを作る」プロジェクトを社会貢献活動の一環として実施しました。通常、ロゴなどのデザインを発注する際の決定権は依頼主にありますが、このプロジェクトでは、デザイナーが団体を指名してロゴを制作します。そして、ロゴ作成にかかる費用をリクルート社が負担します。
 
 まず、デザイナーが関心を持った団体へのヒアリングを行ない、その中から2団体が選ばれるという企画で、実のところ当協会は次点で不採択でした。ところが、当協会をヒアリングしてくれたデザイナーが、このロゴをすぐに思いつき、作りたいと言ってきて、安価で制作してくれたのです。
 
 そして、日本経済新聞がこのプロジェクトを記事にしたのですが、紙面を飾ったのは採択された2団体のものではなく、なんと当協会のロゴでした。よほどインパクトがあったのでしょう。その後、当時銀座8丁目にあったリクルート社の本社ビルの1階で、1か月ほど展示されていたように思います。
 
 さらに、このロゴのポスターを作る際には、凸版印刷株式会社にお世話になりました。多分、無償ボランティアで印刷してくれるようにお願いに行ったのだと思いますが、黒い人の形の中にいろんな色が入っているので、7回刷る必要があったそうで、最初はしぶっていらっしゃいました。ごく当然のことです。しかし、何とか引き受けていただき、当協会の担当者が印刷の現場にも立ち会いました。少しでもずれると刷り直し。それが延々と続き、最後はこちらが「もうこれでいいです」と言ったのですが、先方は「いいえ、もう一回やらせてください」と言って、納得がいくまで頑張ってくださいました。
 
 フィランソロピー(Philanthropy)とは人類愛が語源です。そして、人はいろいろ。まさに「多様性を大切にしよう」という意味がこもったデザインです。制作にも、リクルート社、デザイナー、凸版印刷はじめ、みなさんの共感で作り上げました。2021年、フィランソロピー始動30周年を迎え、このロゴが体現するように、一人ひとりを大切に、一人ひとりの力を信じて、更なる共感を作りだしていきたいと思います。
「ロゴ誕生の舞台裏」おわり