理事長ごあいさつ

Date of Release:2024.1.1
やっとコロナ禍が一段落し、さまざまなイベントもリアル開催ができるようになりました。コロナ禍の時期に獲得したオンライン技術も活用しつつ、新たなコミュニケーションによる事業推進をしてまいりました。久しぶりの対面でのコミュニケーションや実践により、生身の人間の声や痛みがより体感として伝わることを改めて認識しております。
 
当協会の使命である共生社会づくりを考える際にも、さまざまな課題を抱える人々の感動や喜び、悲しみや怒りをしっかりと捉え、人間としての共感を得やすく伝えることがより重要になってきています。戦争やナショナリズムに覆われ、情報が氾濫・錯綜する現在、客観的に捉えつつ、未来に希望と可能性を感じうるメッセージを出すことが重要だと考えております。そうした背景の中、本年は当協会の事業を、以下のように進めてまいります。
1. 人的資本経営が言われる昨今、企業の従業員はじめステークホルダーのボランティアや寄付などの推進に関心が高まり、当協会も積極的にマッチングを担っていますが、より課題解決に資する実効的な事業展開に努めてまいります。
2. 社会貢献支援を、企業―NPOの線的なものだけでなく、面的な拡がりを持つ事業にも注力してまいります。その一つが今後3年間にわたって推進する農福連携事業です。
これは休眠預金活用の事業ですが、担い手不足の農業者の課題解決と、働きにくさを抱える障がい者はじめひきこもりや少年院出院者などの農業への就労を目指すかけ合わせ事業です。全国の農福連携事業者との連携で地域全体を盛り立てる事業を目指します。それが地域を優しく元気にし、地元の人たちが誇りを持てる地域づくりにつなげることで、次世代を担う若者が自らの故郷の守り手となってくれることを目指してまいります。
3. 今後の健全な民主主義社会実現のために、次世代育成事業にも力を入れてまいります。特に、社会のために未来のために自らの力を出そうとするシティズンシップの醸成は不可欠だと考えています。グローカル(グローバル×ローカル)に考え動く人材育成においても、大事な要素となってくるシティズンシップ教育を実施してまいります。
 
フィランソロピーは、一人ひとりの個人の社会参加・社会貢献がその基盤です。社会づくりのために何を目指すべきか、その中で自分自身が何をすべきかを、自らの哲学としてしっかり持つことが求められています。そうした若者が育ってほしいと願いつつ、当協会も引き続き尽力してまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年(令和6年)1月
 
公益社団法人日本フィランソロピー協会
 
理事長 髙橋 陽子
 
「理事長ごあいさつ」おわり