アステラス・スターライトパートナー

2024年度
2021年度 ・2022年度 ・2023年度 ・2024年度
アステラス
2021年度 ・2022年度 ・2023年度 ・2024年度
Latest Update:2024.9.25
主催:アステラス製薬株式会社
企画:公益社団法人日本フィランソロピー協会
アステラス製薬株式会社は、社会貢献活動の一環として、難病患者会の組織基盤整備を目的に、次世代のリーダーシップ研修会を開催しています。
研修会の企画立案および運営にあたっては、公益社団法人日本フィランソロピー協会が協力しています。
 
プログラム概要
名称:
アステラス・スターライトパートナー 患者会次世代リーダーのためのリーダーシップ・トレーニング・プログラム2024
主催:
企画:
公益社団法人日本フィランソロピー協会(JPA)
目的:
・会員間の良好なコミュニケーションの促進
・患者会を率いるリーダーシップ獲得
・患者のQOLを上げるための考え方やスキルの習得
・患者会の会員が積極的に参加する組織にするために必要なコミュニケーションスキルや組織運営・基盤整備のノウハウ習得
日程と会場:
【第1回】2024年09月08日(日)/アステラス製薬株式会社(東京・日本橋)&オンライン(ハイブリッド) <開催報告>
【第2回】2024年09月12日(木)/オンライン <開催終了>
【第3回】2024年09月26日(木)/オンライン 
【第4回】2024年10月08日(火)/オンライン 
【第5回】2025年02月15日(土)/アステラス製薬株式会社(東京・日本橋)&オンライン(ハイブリッド) 
<開催報告>
<開催終了>
参加者はすでに募集済みで決定しています。
 
カリキュラム
【第1回】
2022.6.25(土)/オンライン
<開催報告>
<問題提起>
山本ベバリー さん
大阪大学大学院教授
患者会HAEJ 理事長
患者会・患者活動の意義を考える
 ・山本ベバリーさん自身が体験を想起
 ・HAEJの活動内容を紹介
 ・研究者としての視点からコメント
 ・参加者がグループに分かれて
  ディスカッション
  (医療関係者とのネットワークづくりなど3題)
<ワークショップ>
宮地勘司 さん
教育と探求社 代表取締役社長
自己分析および自己体験と思いの整理・言語化
 ・その日の気持ちを言葉にする
 (ウォーミングアップ)
 ・参加者同士でインタビュー
 (困難を乗り越えた経験など)
 ・自分の未来を絵にして表現
【第2回】
2022.8.19(金)
<開催報告>
<ワークショップ>
田中康之 さん
株式会社 BRICOLEUR(ブリコルール) パートナー
多様な人材組織をまとめるマネジメントスキル習得
 ・コミュニケーションスキルを高める(納得感のある伝え方、コンテンツとコンテクスト)
 ・合意形成のワーク、講師との質疑など
【第3回】
2022.9.2(金)
<開催報告>
 
 
【第4回】
2022.9.29(木)
<開催報告>
<ワークショップ>
長浜洋二 さん
モジョコンサルティング合同会社 代表
NPO運営の基礎を学ぶ
 ・NPOの組織運営の基本(資金調達、会員獲得、認知度向上等)
 ・各団体の自己評価、講師との質疑 など
<課題設定>
研修会事務局より課題の説明
第5回の終わりに、患者会およびそのメンバーとしての目標・課題を設定する。
 2023年1月までそれを実践し、結果について第6回研修会で報告。
【第5回】
2022.10.7(金)
<開催報告>
【第6回】
2023.1.21(土)
<開催報告>
<成果報告>
参加団体による成果報告
 (第5回で設定した目標・課題についての
  取り組みの成果報告)
 
 <講評>
  山本ベバリーさん
  宮地勘司さん
  長浜洋二さん
     
 
 
開催報告
【第1回】
 
日時:
2024年9月8日(日)10:00~17:00
形式:
対面・オンライン(ハイブリッド)
参加:
14団体・21名(対面17名、オンライン4名)
目的:
患者会の社会的意義を実例から学ぶ、自己分析と自身の体験の言語化
内容:
今年のリーダーシップ・トレーニング・プログラム第1回は東京・日本橋アステラス製薬株式会社の本社会議室に17名の参加者が集まり、オンライン4名も含めたハイブリッドでの開催となりました。オンライン参加者の画像が投影されたスクリーンを囲んで全員が円形に並べた椅子に座り、一言ずつ今の気持ちを語る「チェックイン」から始まりました。
1. 講演: 患者会・患者活動の意義を考える~希少疾患の患者・大学研究者の視点から~
山本ベバリーアンさん(大阪大学理事・副学長・同大学院人間科学研究科教授、患者会HAEJ理事長)
 
稀少疾患の患者として、患者会代表として、研究者として、の3つの視点からの講演。
 
未診断の期間が長かったご経験から、患者のQOL向上には早期診断が欠かせないとの思いから、国内・海外の患者会同士、製薬企業や医療従事者といった多くのステークホルダーとつながってきた経緯をお話しいただきました。
 
患者、製薬企業、医師がイコールパートナーとしてつながる良いエコシステムを作る、といった「大きなビジョン」を持つことは重要です。そのためには持続可能な患者会の体制が必要となるため、そのベースとなる医師との協力体制や団体スタッフとの関係性、財務管理の面からもご自身の団体の例を開示していただきました。会場からの質問には、海外の患者会とのGoogle翻訳を使った繋がり方や、セミナー講師や医師への謝金の事例について、より詳しい回答もあり、患者会の在り方や立ち位置を学ぶ良い機会になりました。
 
遺伝性血管性浮腫患者会(HAEJ)は、この10年で、ヨーロッパやアメリカ、アジアの患者会同士のつながりもでき日本の治療環境も海外にほぼ追いついてきたそうです。そこまでの長い道のりについてのご講義は参加者の皆さんの悩みや不安を解決し、患者会の存在そのものがエンパワメントされる時間になりました。
 
2. ワークショップ
宮地勘司さん(株式会社教育と探求社 代表取締役社長)
 
はじめに、「ディベート」と「対話」の違いを実感するワークを行ない、相手の話を受け止める「対話のモード」を意識して、2人1組のペアとなり30分ずつのインタビューを行ないました。ここではリラックスして素直に起こることを受け止め、互いに相手を尊重する、というのがルールです。このプログラムで参加者は「自己」と「未来」を探求します。相手の叡智を借りて、不確かな自己や未来について考えるワークを通して、過去の自分の気持ちに気付くこともあります。
 
次は、目を瞑ってイメージした「最高の未来」を画用紙に描くワーク。クレパスを使って描いた互いの絵を持ち寄り、5-6名のグループごとに描いた時の気持ちなどを共有しました。オンラインの参加者も加わり、家族のしあわせを願う気持ちや、暗い気持ちでいた自分の中にもにこにこしたいという気持ちがあることに気付いた、といった感想を発表しあい、最後は拍手で終えました。理屈では無理だと否定してしまうような理想のイメージを、手を動かし形にすることで、自分の中の希望を信じるエネルギーを実感できたようでした。最後に宮地さんからは「厳しい現実に直面しても、このイメージを強く信じ続けることが大事」とエールをいただきました。
 
最後はチェックアウト。チェックインの時と同じように車座になり、はじめの緊張感とは打って変わった和やかな雰囲気の中、一言ずつ今日の感想を述べました。自分に何ができるのか、ここに参加してもいいのか、といった不安を語っていた参加者も、参加者同士の共感に励まされ、今後オンラインで開催される研修に向けて前向きな思いを語り、研修最終回の2月の対面開催での再会を楽しみに、閉会となりました。
 
3. 研修へのご意見
 
【山本さんの講義】
・当患者会の代表が描くビジョンが、そんな夢みたいなこと、と思っていましたが、ここにリアルにある、ということがわかり、夢ではないんだとやっと腑に落ちました。
・会社ではなく家族会だからという固定概念で行動していたことに気づいた。家族会も可能性は無限大で、財源を確保するという意識がなかった。自分の時間を寄付しても、自分の家族のお金を家族会に使うことは違うことに今更ながら気付けてよかったと思う。ソーシャルサポートには恵まれているが、十分な財源確保も同時に取り組み、貴重な経験をしている会のノウハウを社会還元することは多くの人たちの危機的状況に備える一助になると感じた。
・患者会があることで医療従事者から見れば沢山の症例や病状の調査ができるし、声を聴ける。患者からしても困っていることの共有か対策方法など様々な情報を得ることができ孤独をかき消すことができる。先生の「患者会は社会の財産」との言葉を皆さんに伝えたい。
 
【宮地さんのワークショップ】
・対話のモードは感情や内容や心の余裕に左右されると感じた。受け流しになりやすい自身の特性から、興味以外も気に留めると違う展開にも至る深みを知った。インタビューで、過去のつらかった経験を心の動きまでも詳細に応えて頂いたことで、相手の経験した苦悩の一部を全身で感じられた。心はいつでも一瞬にして、その時にタイムトリップするけれど、声に出して誰かに伝えることで、経験の価値が幾重にも変化していく心のあり方に感銘を受けた。ものすごく素敵な人の話がきけてよかったと思う。
・インタビュー受ける前は「(ある困難が乗り越えられず逃げた体験が直近であるので)自分はダメダメな人間だなぁ」と思っていたが、インタビューしてもらったことで、「自分はある困難を乗り越えることができた」「そのためのリソースをあの時も今も持っている」ことを思い出せた。
・自己分析では、1番大切なことは我が子の幸せだと気付くことが出来、患児である我が子が幸せになるための行動が、同じ疾患の患者や患児の幸せに繋がる活動が出来れば良いのでないかと、活動の方向性を見出すことが出来た気がします。また、ペアインタビューではディベートではなくダイアログを意識することで、相手の気持ちへの共感度が高くなった感覚があり、団体への相談を受けた際に活用できるのではないかと感じました。
 
「アステラス製薬/患者会次世代リーダーのためのリーダーシップ・トレーニング・プログラム2024」おわり
 
第1回開催報告:2024.09.25
最終更新:2024.09.25