2012年度報告会/社会のために、ぼくたち・わたしたちができること
12月の定例セミナー
平成24年郵便事業株式会社年賀寄附金配布事業
「サービス・ラーニング」とは、教科学習で得た学びと社会における諸課題の解決を具体的な実践活動を通して統合させていく学びの手法です。
日本フィランソロピー協会では、子どもたちが自己肯定感や主体性を高め、地域社会への愛着と一員としての自覚を育む「募金・寄付を核としたサービス・ラーニング」プログラムを推進しています。
社会のために子どもたちができること、それを支える地域・大人の役割、本プログラムの可能性と、日本における先駆的な取り組みを共有する機会として、2012年度に本プログラムを導入した実践校6校による報告会を開催しました。
開催概要
・日時: 2013年3月9日(土) 13:00~16:10
・会場: 東北学院大学 土樋(つちとい)キャンパス 8号館(講義棟)
・会場: 仙台市青葉区土樋1-3-1
・参加: 120名
 
プログラム
◆ ごあいさつ 高橋陽子
◆ ごあいさつ 公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長
◆ 基調講演 「一ノ蔵で働く私の社会貢献」
山田好恵さん
山田 好恵 氏
株式会社 一ノ蔵 マーケティング室長
【講演要旨】
東日本大震災では、自分自身も親戚や身近な人が亡くなったり、家を流されたりして様々に被災した。そうした中、会社に勤める企業人としてまた子どもを持つ母として、そして地域の市民としていかに行動すべきかを問い直した。積極的に地域コミュニティとかかわり、市民活動としての被災地支援を行なう一方で、企業の震災支援活動として寄付付き商品「未来へつなぐバトン」を開発し、その売上げを「ハタチ基金」へ寄付することにした。今後も、会社員とボランティアを両立すること、震災や原発事故を風化させないために、自分の立場をフル活用して情報発信することを使命としていきたい。
◆ 実践校による発表
【仙台市立榴岡(つつじがおか)小学校】
1年生から6年生まで総勢20名による息の合った掛け合いで、「榴岡を元気にし隊」の活動を紹介。異年齢で実践し、活動する中でお互いへのあこがれや思いやりも生まれ、次の世代にもつなげていきたいという思いを発表しました。
【東北学院中学校・高等学校】
募金の呼びかけ先として、「地域コミュニティ」としてのOB会への募金協力のお願いの様子と、寄付先である仮設住宅に住む人々との交流の様子について発表しました。時には楽しく、また時には自分たちのふがいなさを感じながら、前向きに努力している様子が分かりました。
【東京都杉並区立和泉中学校】
校長先生より、全行程が「総合的な学習の時間」のカリキュラムとして行われた様子と、その後のアンケートの結果では、平成24年度の生徒たちの自己尊重感が前年度より向上したこと、また生徒からは、社会課題に対する意識が高まったことが発表されました。
【大阪府寝屋川市中学生サミット】
市内8校の中学校生徒会に所属する生徒たちが協力し、被災地への思いを語りながら地元商店街を回り、募金を呼びかけた様子が紹介されました。子どもたちの活動に感動し、涙を浮かべながら協力してくれた人のエピソードなどが発表されました。
【福岡県福津市立福間中学校】
総合的な学習の時間で、地域に障がい者・高齢者の独り暮らしの人が多いことを学び、その方々に年賀状を送るための募金集めの様子が発表されました。学校オリジナルのクリアファイルを作成し、その販売収益を今後の活動資金へ加えるため、発表後、販売も行なわれました。
【神戸市立小部(おぶ)中学校】
東日本大震災直後から被災地の中学校との交流を始め、様々な交流イベントをきっかけに、地域の学校と協力して募金活動を行なった様子が紹介されました。使い道についても、交流校との話し合いにより決めていくことが発表されました。
◆ 特別プログラム/実践校の教員、児童・生徒によるディスカッション
「募金・寄付を核としたサービス・ラーニング」を行なってみての周囲の反応や、今後どのようにプログラムを改善すると良いのかなどについて、教員と児童・生徒に分かれてそれぞれ話し合いの場を持ちました。
 
児童・生徒は、様々な学校から成る5つのグループに分かれて、それぞれ楽しかったこと・嬉しかったことや、不安だったこと、辛かったこと、次世代に伝えたいことなどを話し合い、グループごとに発表しました。
【ディスカッションで出された子どもたちの意見】
 
◇ 活動に参加して嬉しかったこと・楽しかったこと
  ・募金をしてくれた人から 「ありがとう」 と言われた。
  ・小さい子どもが協力してくれた。
  ・商店街の喫茶店を訪ねた時、そこに居たお客さん全員が募金に参加してくれた。
  ・お店の人も決して経済的にも楽ではないと思うが、それでも多くの募金をしてくれた。
  ・意外と多くの募金が集まり、また地域に優しい人が多くて嬉しかった。
  ・自分たちの話を真剣に聞いてくれた。
  ・自分たちの活動に対して現地(被災地)の方に 「ありがとう」 と言われると、逆に元気がもらえてそれをみんなに分けることができた。
  ・誰かの役に立っているという実感があった。
  ・自分の行動で他の人が笑顔になる。
  ・苦手なコミュニケーションをがんばることができた。
  ・仲間と一緒に活動し、達成感を感じるたびに、楽しいと感じた。
  ・みんなで協力したら、できることの幅が広がった。
◇ つらかったこと・大変だったこと
  ・募金をお願いした際、募金できるほど利益がないと断られた。
  ・話を聞いてもらう前に、「忙しいから」と断られた。
  ・募金の目的について、反対意見を言われた。
  ・募金活動を始めた時、寄付先(被災地)の正確な情報が少なく、困った。
  ・取り組みの途中で、成功しているか不安だった。
  ・協力者や有志のボランティアが少なかった。
  ・これまでの活動を周りの人にうまく説明できなかった。
  ・「もっとできたのではないか」という後悔。
  ・実は他人任せだったのでは、という思い。
◇ 今後に向けて
  ・募金の目的について反対された時、それに対抗できるチラシを作成し、配布する。
  ・もっと生徒同士の縦のつながりを深めると良い。
  ・もっと多くの学校で交流できると良い。
  ・募金活動をする時は、大きく短くではなく、小さく長くでも良いのではないか。
  ・小さな力でも大きな力になる。続けることに意味があると思う。
  ・機会があれば続けたい。自分たちの活動を知ってもらいたい。
  ・活動を通して地域の方々とつながれたのでまたやりたい。
 
お問合せ
公益社団法人日本フィランソロピー協会
担当: 宮本 栄(みやもと・さかえ)
TEL: 03-5205-7580 FAX: 03-5205-7585 Email: こちら
 

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