理事長ブログ

2019.06.18

第11回 石巻日日こども新聞

東日本大震災から1年後の2012年3月11日に創刊した石巻日日こども新聞。季刊発行し、6月11日に30号を出した。発行部数は3万部。日本だけでなく、海外でも読まれている。発行元は、公益社団法人こどもみらい研究所。代表の太田倫子さんは、震災後、参加したイベントで、笑わない子どもたちがいることが気にかかった。悲惨な苦しみや悲しみを受けた子どもたちには、それを吐き出すことが必要だと考え、表現手段の一つとして新聞発行を思いついた。太田さんの故郷である石巻市には、石巻日日新聞があった。同紙は、震災後の1週間、電気が来ない中、模造紙に手書きで書いた壁新聞を避難所などに配ったことで知られる。(第7回ブログで紹介)。太田さんは、同社の近江弘一社長に相談し、印刷などの協力を取り付けた。取材や執筆は子どもたちが担当する。小学校5年生から高校3年生までの子どもたちが毎週土曜日に集まり、企画を考え、聞き取りや執筆のワークショップなどをして腕を磨いている。

同研究所の目的は「子どもたちの『つくる』『つたえる』『つながる』を応援すること」。子どもたちの持つ好奇心や感動する心、それを引き出し応援する太田さんの揺るぎない覚悟と一途な願い。石巻の今を伝える紙面からそれらが滲む。もう一つの子どもたちの活動に、商品開発とその販売がある。6月11日号には新商品の発売について載っている。キーホルダー「ロータリー」だ。作者の小俣渓志郎くん(小6)は大の車好き。特に、マツダのローターリーエンジンがお気に入りだとか。あまりに好きすぎて、ある日、ダンボールで模型を作ってしまったそうだ。

 ダンボールで作ったロータリーエンジンとキーホルダー

それから、色を付けて、Tシャツにでも紙にでも、とにかく描きまくっていたそうだ。それを知った今野梱包株式会社の今野英樹社長から「キーホルダーを作りませんか?」と声がかかって、この度完成したという。売り上げは、小俣君の希望で「京都大学ips細胞研究基金」に寄付するという。子どもの感性と表現力はすごい。それを引き出すのが教育の本質。

 

キーホルダーの袋に入っている説明書き

しかし、悲惨な体験を吐き出すことが出来ないまま苦しんでいる子どもたちがいる。そんな子どもたちを応援しようと思い、「誕生日寄付」事業を始めた。(第9回ブログで紹介) 年に1回、いのちを与えられた誕生日に感謝と共に寄付しよう、という運動だ。彼らに寄り添い、見守る大人の存在が子どもたちの支えになると、ある精神科医に教えてもらった。7月6日には、発足記念のチャリティパーティを開催し、困難の中にいる子どもたちの現状や課題を寄付先の団体の方にお話しいただく。太田さんも石巻から駆け付けてくれるという。子どもたちの困難に寄り添い、子どもたちの希望と夢を応援する仲間が増えることが楽しみだ。

 

◆関連サイト◆

石巻日日こども新聞

誕生日寄付サイト

チャリティーパーティー