社会が複雑化し多様性が広がるにつれて、制度ではすくいきれない人々も増えていきます。大阪府では、既存の福祉サービスだけでは対応困難な事案の解決に取り組むコミュニティソーシャルワーカー(CSW)を中学校区等の単位で設置し、住民同士が互いに支え合う仕組みづくりに取り組んできました。
SDGsの理念である「誰一人取り残さない-No one will be left behind」を実現するには、まさにこうした地域社会における市民参画とコーディネーションが求められていると言えます。
今回のセミナーでは、大阪府地域福祉支援計画のCSW事業の一期生である勝部麗子氏を迎え、現在私たちの地域社会が抱える様々な問題とその解決に向けた工夫や苦労、そして企業との連携の在り方などについてお話をいただきます。
企業の社会的責任として、社内における人権啓発のための研修に力を入れる企業も増えています。地域社会で一番弱い立場にいる人たちに対して私たち一人ひとりが何ができるか、また何が求められているのか。皆さまとご一緒に考える機会としたいと思います。
勝部 麗子 氏
社会福祉法人豊中市社会福祉協議会
福祉推進室長
< プロフィール >
大阪府豊中市
(とよなかし)生まれ。1987年、豊中市社会福祉協議会に入職し、ボランティアセンター、小地域福祉ネットワーク活動、当事者組織など、地域組織化や地域福祉活動計画に携わる。2004年度に始まった大阪府地域福祉支援計画のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)設立事業の一期生となって以来、CSWとして制度のはざまの課題を解決するプロジェクトの立ち上げ等に取り組んでいる。
厚生労働省社会保障審議会の特別部会委員として、2015年施行の生活困窮者自立支援法策定にもかかわる。NHKドラマ「サイレント・プア」のモデルになり、監修を務めた。「
プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演。2016年4月から現職。