今回のセミナーでは、企業による教育支援について取り上げ、企業のCSR・社会貢献担当者、教員、NPO職員など30名にご参加いただきました。
事例紹介では、企業の資源や特長を活かしながら、地域の社会課題の解決のために積極的に教育支援を実施されている3社の事例を学び、企業が教員や子どもたちにできるより有効な支援について、ご一緒に考える機会となりました。
3社の教育支援に対する考えには「SDGs(持続可能な開発目標)」「人材育成」「地域共生」といった複数の意味があること、文部科学省が掲げる人材像と企業が求める人材像は一致しており、キャリア教育の観点からも学校と企業が連携することで、子どもたちに「生きた学び」を提供できるという方向性を共有しました。

事例は、学校等に講師を派遣し授業を行う「出前授業」、企業の事業所に子どもたちを招く「招待/イベント」、教員に対する「教材提供」とそれを活用した授業づくりのワークショップなど各社とも特色ある取り組みをご紹介いただきました。
いずれも共通しているのは、グループ会社、従業員、地域社会(NPO、学校等)といった多様なステークホルダーがプログラムに関わっていること。「出前授業」を“超える”ということについて、教育支援活動が従業員にも成長の機会になり子どもたちと同様に人材育成につながること、さらに先生方と企業側が授業について話し合う場を設けることで企業の中にある違うノウハウを引き出すこともできるのではないかといったお話もありました。
「現場のニーズをヒアリングし、自社で応えられないとしてもネットワークを駆使してつなぐことを心掛けている」「企業の独りよがり、自己満足にならないよう子どもたちの成長を測定できるような仕組みも考えていきたい」など、教育支援の現場に関わる企業の真摯な姿勢が垣間見え、今後の課題についても意見交換する機会となりました。