
JA大船渡管内では、東日本大震災の大津波による農地の被害面積は460ha、水田の被害面積の391haでした。管内の水田面積の52%にも及ぶところです。平成23年度に水稲の作付ができなかった農家が581戸。被害額では175億9,400万円。甚大な被害を受けました。
それに加え、福島原発事故における農地、農畜産物の汚染や、それに関連する価格下落等、その被害は重大かつ深刻で、多くの組合員がやり場のない怒りの中、大きな不安に直面しております。
復旧復興は、当初政府や行政から発信された計画のようには進んでいません。当JA管内の被害農地の復興にかかる年数は、8年とも10年とも言われております。農作物を作りたくても作れない苛立ちの中で、2度目の冬がやってまいりました。被災者にとっては、打ち砕かれ疲れ切った心に冷たい風がいや応なしに染み込んで参ります。
しかしこのような状況の中、このたびのキリンビール様、日本フィランソロピー協会様の取り組み、ご支援は、多くの被災農家に希望の光となって、明日へ立ち上がる気力をもたらすものです。深く感謝申し上げます。
今回の大震災を忘れてはいけない、しかしいつまでも引きずってはいけないと、私は今まさにそのような心境です。ご支援いただいた農業機械は、これからの圃場整備や営農再開に大いに役立つものと期待しております。そして気仙地区の農業の復興に大きな足跡を残すものと確信しています。このたび支援を受けられる生産者の皆さまは、これを契機としてこれまで以上に営農再開に取り組んでいただきたいと切に願います。
「天はわれわれに乗り越えられない試練を与えたりはしません」。震災後、心の整理がついた3ヶ月後に、私はこの言葉を組合員や役職員に発信しました。心を定め、希望を持って前を向いて歩いていけば、必ず明日への道は拓けて来るものと信じております。当JAといたしましても出来る限りの支援をして参ります。それが地域に根を張る我らJAの使命であると強く決意しています。本日は誠にありがとうございました。