
今日はあいにくの天気ですが、今年は天候に恵まれ、また生産組合の皆さんの努力もあって、このように収穫祭を迎えることができ、主催者としてもうれしく思っています。
昨年3月11日のあの大地震で、七ヶ浜の田んぼは、99.9%、ほぼ壊滅状態になり、残ったのはヘドロだけでした。4、5年は農地として使えないのではと感じたのですが、あれから1年8ヶ月、「キリン絆プロジェクト」から農機具をいただいたことで、生産者の方のモチベーションがあがりました。復興組合を作り、一生懸命がれきの撤去を行いました。
また日本全国からボランティアが入り、関係者の皆さんの協力、援助をいただき、何とか田んぼの形を取り戻しました。
まだ除塩が終わっていないところがありますが、まずは農家として作物を作らなければならないとの思いで、今年4.8haの大豆の作付ができました。私が見るところ、本当に上々の出来なのではないかと思います。
そしてその大豆を地産地消として、この「みお七ヶ浜」で豆腐などの製品にするということは非常に意義深いものがあります。
来年からは、何とか稲作も含めて、七ヶ浜の農地、農業を復旧していきたい。しかし七ヶ浜は、川のない町です。天水だけでは除塩はままなりません。何とか皆さんで知恵を絞り、努力をしながら除塩をして、来年は稲作を含め、農業の復旧をしていただくようお願いをしたいと思います。
震災を機に、生産組合のような組織が立ち上がりました。今までは稲作中心でしたが、これから圃場整備が終われば、米、麦、大豆、そしてまた米を作る。このようなローテーションで作れば、一段と所得が上がるのではと思います。皆さんでいろいろなアイデアを出しながら、農業の復旧復活に取り組んでいただきたい。
最後になりましたが、キリンのプロジェクトがなければ七ヶ浜の農業復活はなかったと思います。ぜひこれからもご支援いただき、また全農の皆さんにもいろいろな形でご指導いただき、みんなが一つになって、七ヶ浜の農業の復旧復活にがんばっていただきたいと思います。JA仙台といたしましては、最後の一枚の田んぼまで、組合員の皆さんがいわゆる日常を取り戻す、そういう実感を持てるまで支援をしたいと思っております。