JA南三陸/春告げやさい関連商品報告会
平成26年度 JA南三陸園芸部会 キリン絆プロジェクト
「春告げの国」春告げやさい関連商品報告会
日時:平成27年(2015年)2月21日(土)
会場:南三陸町 南三陸ホテル観洋
 
 JA南三陸が震災前から地域ブランドとしての確立に取り組んできた『春告げやさい』。冬から春にかけて、気仙沼・南三陸地域で栽培・収穫される7種類の野菜に、この名が冠されている。
 冬の寒さは厳しいけれど、降雪は少なく、日照時間が多いというこの地域の気候条件を活かして栽培される『春告げやさい』は、甘味と栄養をたっぷりと実に蓄える。
 JA南三陸では、震災後、「キリン絆プロジェクト」をはじめ、各方面からの多大な支援・応援に支えられ、『春告げやさい』の生産拡大と、関連商品開発による6次産業化への取り組みをますます加速させてきた。
 2月21日、南三陸町にある「南三陸ホテル観洋」で「平成26年度 JA南三陸園芸部会 キリン絆プロジェクト『春告げやさい』関連商品報告会」が開催された。
 昨年度(2014年度)は「試食会」だったが、ことしは「報告会」。前年、多くの参加者に味を試してもらった商品たちのその後の展開や評判、販売実績などが報告された。また、ことしからは『春告げいちご』もそのラインナップに加わった。さらに、JA南三陸管内を『春告げの国』としてPRしようという取り組みも始まろうとしている。
 報告会当日は、主催者や来賓あいさつの後、『春告げやさい』関連商品を含む南三陸の山海の幸がふるまわれ、地元のすずめ踊りやSCKガールズのパフォーマンスがイベントを盛り上げた。
 冬の寒さに負けないで元気に育った『春告げやさい』の確かなおいしさは、地域ブランドとしての力も十分。また、そのやさしくあたたかい語感は、復興を目指す地域のシンボルでもある。
《主催者挨拶》
JA南三陸 代表理事組合長 髙橋 正 様
 JA南三陸の管内は条件不利の中山間地域です。私たちは、地域の農と食を、皆が支える社会を目指し、地産地消の促進、南三陸のブランド化、6次産業化による生産者の意欲向上、担い手育成などに取り組んでまいりました。
 東日本大震災に見舞われたのは、その成果が上がっていくと確信していた矢先のことです。農地、農業施設はもとより、作戦本部であった組合事務所までが壊滅し、地域に多くの犠牲者を出しました。
 それはゼロからの出発ではなく、マイナスからの再スタートでしたが、多くのご支援や、人と人との絆によって立ち上がる勇気をいただきました。
 『踏まれても 根強く忍べ道草の やがて花咲く春も来るらん』という古歌があります。大災害にねじ伏せられた私たちですが、春は必ずや訪れると信じ、地域の皆様と手を携え、励まし合い、復興に邁進してきました。
 海山の豊穣な食材や人材など、地域資源の完全燃焼を目指し、そして農林漁業・観光・商業も含めたオール気仙沼・南三陸の活性プロジェクトの中に食料生産を位置づけて、JA南三陸は、そのトータルコーディネートに全力を尽くしてまいります。
《共催者挨拶》
キリンビールマーケティング東北統括本部 宮城支社長 小西 弘晃
 2011年の東日本大震災以来、南三陸地区の皆様とは長いお付き合いをさせていただいております。JA南三陸は、山の幸に恵まれておりますが、高橋組合長は『海のものとセットで全国に商品を発信していきたい』とおっしゃっています。
 同じ食卓を囲む仲間として、当社の商品と南三陸の豊かな恵みをより多くの方に味わっていただき、地域の経済の循環に微力ながら貢献していきたいと思います。
 当社の『キリン一番絞り』に宮城県産ササニシキをいれた商品なども発売してまいります。これからも南三陸の『おすばで(方言:酒肴)』を強調した取り組み、この地方の情報をひとつでも多く首都圏や関西方面にも発信していきたいと考えます。『春告げやさい関連商品』を盛り上げるため、私たちも一緒に歩ませていただけたらと存じます。
《来賓挨拶》
宮城県 気仙沼地方振興事務所 所長 渡辺 達美 様
 『春告げ』というネーミングはとても印象的で、一度聞いたら忘れられません。また震災を経験したあとは、この言葉に希望へのメッセージが込められていると感じました。
 震災を乗り越えて農作物を生産されている農家の皆さん、そして支えて来られたJA南三陸の皆さんのご努力に敬意を表します。
 農業の復興を進めていく上で、当地方の気候を活かした園芸の振興には大きな可能性を感じています。この会場を訪れ、『春告げやさい関連商品』がたくさん並んでいるのを拝見し、6次産業化、ブランド化が着実に進んでいるなと感じることができます。
 宮城県といたしましても、気仙沼市、南三陸町、JA南三陸、関係団体を連携し、今後も『春告げやさい』を支援してまいりたいと考えます。
気仙沼市長 菅原 茂 様(公務のためご欠席)
(代読:気仙沼市本吉総合支所 産業課 佐藤 実 様)
 最近は、原油価格は落ち着きを取り戻したものの、これまでの高騰や、震災復興事業に伴う資材の値上がりが続くなど、園芸経営環境にとっては非常に厳しい状況となっていて、皆様のご苦労は並々ならぬものと察します。
 このような中、部会員の皆様とともに経営管内一丸となり、『春告げやさい』を復興のシンボルとするべく鋭意取り組まれていることに敬意を表するものであります。
 市といたしましては、県やJAと連携し、東日本大震災農業生産対策事業や園芸特産重点強化整備事業による施設整備を推進するなど、宮城の園芸特産振興戦略プランに沿った生産拡大および先進的園芸経営体の育成を支援してまいる所存であります。
 『春告げやさい』のブランドが一層高まると同時に、関連商品が皆様に愛されますことをご祈念申し上げます。
南三陸町長 佐藤 仁 様(公務のためご欠席)
(代読:南三陸町産業振興課 農林業振興係長 阿部 彰 様)
 震災前より、南三陸農協管内の主力農産物でありました『春告げやさい』が、新たな装いをもって私たち消費者のもとにお目見えされること、心よりお慶びを申し上げます。
 東日本大震災から、間もなく4年目を迎えようとしております。JA南三陸におかれましては、震災後、管内の農家の営農再開に向け、園芸作物、花卉、葉物野菜等の生産施設の復旧にいち早く取り組まれた結果が、きょう、このような結果として表れてきたものと思われます。被災した農地につきましては圃場整備事業等により、本年(2015年)春より約6割が使用できる見通しですが、町といたしましては、農家の皆様方が早期に営農再開できますよう、関係機関と連携しながら基盤整備等に努めてまいりたいと考えております。
公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 高橋 陽子
 震災からもうすぐ4年になりますけれども、これまでの皆様のご努力に、心から敬意を表します。『春告げ』というネーミングは本当にすてきだなと思います。長い長い冬を粘り強く耐え、そして土を力強く起こして、ようやく春がやってくるんだなぁということも実感いたします。
 『支援』とは、高い志を繋ぐ縁、『志縁』なんだなと思います。支援する人とされる人がいるのではなく、次の世代のために、そしてふるさとのために、志を高く、ともに頑張り、ともに励まし合っていくことなのだなと思います。
 本格的な春を迎えるためには、まだたくさんのご努力が必要なのかもしれません。でも、皆が気仙沼を、南三陸を、『春告げやさい』を見ている、見守っている。そのことに励まされていくのだと考えます。本当の意味での春よ来い、早く来いと願いながら、お祝いの言葉とさせていただきます。
全国農業協同組合連合会 宮城県本部 本部長 菊地 潔 様(所用のためご欠席)
(代読:全国農業協同組合連合会 宮城県本部 管理部長 中鉢 充 様)
 東日本大震災より、もう4年が経過しようとしております。宮城県では、農家、JA、そして行政が一体となって農地の復旧、農業の復興に取り組んでいます。農地につきましては、今年度(2014年度)末までに、宮城県全体で、震災前の82%にまで復旧できるとの見通しです。ただ、当管内を見ますと、今春、ようやく営農再開にこぎ着けられるという圃場もあり、まだまだたいへんな状況にあると推察されます。震災直後から地域の復旧と復興にご尽力されてきましたJA南三陸の高橋組合長様をはじめ、組合の皆様に心より敬意を表します。
 JA南三陸が商標登録した『春告げ』を冠としたブランド野菜は、大震災で落ち込んだ生産数量を回復と、さまざまな加工品の開発や、地元と連携したメニュー開発、漁業や観光と連なった地域振興など、多様で多彩な販売を展開する優良事例となっております。本会といたしましては、JA南三陸が地域の牽引役となり、当地域の農業復興とさらなる生産振興に寄与されることと確信しております。
 
《記念撮影》
平成26年度 JA南三陸園芸部会 キリン絆プロジェクト
「春告げの国」春告げやさい関連商品報告会
平成27年(2015年)2月21日 於:南三陸ホテル観洋
 
 
《乾杯》
JA南三陸 専務理事 遠藤 一男 様
《生産者インタビュー点描》
アスパラ菜 生産者 吉田 正 様
 JA南三陸管内では私ひとりだけがアスパラ菜を作っています。きょうは管内の農家の代表者のような顔をしてやって来ましたが、園芸部会の皆が、『春告げやさい』を一生懸命作っています。これからもよろしくお願いいたします。
春立ちなばな 生産者 佐藤 昌一 様
 『春立ちなばな』は、寒くなってくると甘みが増してくるおいしい野菜です。私も生でたべたことはなかったのですが、先日、生で噛んでみたら、茎の部分がすごく甘くて私も驚きました。これからも頑張って作ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
《春告げやさい 関連商品説明》
JA南三陸 営農生活部 営農販売課長 三浦 昭夫 様
 『春告げやさい』の生産者や加工業者の方とともに、現在、ブランド化、商品開発をすすめております。今後も南三陸町の海産物ともコラボしながら進めてまいりたいと考えております。
「春告げろーる」製造元
気仙沼市 菓子舗サイトウ 社長 齋籐 宏 様
 『春告げろーる』は、発売し3年目。現在は市内7店舗で販売しております。ちぢみほうれんそうを生地に練り込みました。いちごは階上産のいちごです。販売期間は2月14日のバレンタインデーから4月いっぱい。気仙沼に春を告げるスイーツとしてこれからも頑張ってまいります。
 
「春告げの漬物」製造元
株式会社味仙 代表取締役 村山 孝一 様
 『春告げの漬物』は、一昨年(2013年)来、JA南三陸ならびに生産者の皆様より全面的な協力をいただきまして、共同開発を行っております。ことし(2015年)に入りまして、季節商品として宮城県内の量販店の漬物コーナーを中心に販売されております。2月はちぢみ小松菜入り、3月は菜花入りを提供させていただきます。お漬物としての販売期間は2か月ほどですが、食卓に春を感じさせる商品として、今後ますます供給してまいりたく考えています
「南三陸キラキラ春告げ丼」発案者
南三陸ホテル観洋 女将 阿部 憲子 様
 『南三陸キラキラ丼』は、四季折々の天然素材を使った展開を進めております。また、今月(2015年2月)は農水省が主催する『フード・アクション・ニッポンアワード2014』において、審査員特別賞を頂戴いたしました。地域上げての取り組みが受賞に値すると、認めていただけたのかなと思います
「春告げの酒」醸造元
株式会社角星 代表取締役社長 齋籐 嘉一郎 様
 気仙沼・南三陸といえば海産物というイメージがおありかなと存じますが、例えば農産物であるお米の品質につきましても、全国有数の高品質米を産する地域でもあります。『春告げの酒』は、気仙沼地区で作付けしていただいている『蔵の華』という酒造好適米と『まなむすめ』というお米を使い、特に吟味して作らせていただいております。
 販売から、もう3年ほどになりますが、おかげさまで好評をいただき、春先には売り切れるという状況が続いております。皆様に飲んでいただけたら、地域の水田も元気になってまいりますので、これからもご愛顧いただけたらとよろしくお願いいたします。
《閉会の挨拶》
JA南三陸 営農・生活担当常務理事 尾形 政司 様
 主催者として閉会の挨拶をさせていただきます。職員たちは震災以来ずっと『津波になんか負けねえぞ!』と言いながら、前を向いて仕事をしてまいりました。
 今後とも皆様のご協力を賜り、高橋組合長以下、職員全員一丸となって、復興に邁進したいと思っているところです。これからもご協力をお願いいたします。
2015.02.21「JA南三陸/春告げやさい関連商品報告会」おわり

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