JA南三陸/仙台中央卸売市場「気仙沼茶豆」宣伝会
JA南三陸
仙台中央卸売市場「気仙沼茶豆」宣伝会
日時:平成27年(2015年)9月18日(金)6:35~7:30
会場:仙台市中央卸売市場
 
 JA南三陸が、「復興応援 キリン絆プロジェクト」農業支援での支援のもと、ブランド化を目指して平成15年度(2003年度)から生産に取り組んでいる「気仙沼茶豆」が、ことし(2015年)もおいしくできあがった。
 暑かった8月中旬以前とは打って変わってお盆以降は雨が続き、気温も低めだったことから、生産者をはじめ関係者は気をもんでいた。しかし、収穫時期直前に続いた数日の好天が実を甘く膨らませ、「ことしの出来映えは、甘みも香りもこれまででいちばんではないか」とJA関係者は胸を張る。
 
 そして、9月18日早朝、仙台市宮城野区にある仙台市中央卸売市場で、市場の関係者や買参人に向けた「気仙沼茶豆宣伝会」が開催された。試食によってそのおいしさを実感してもらうことで、知名度と認知度の向上を目指そうというものだ。
 市場内に特設された会場には、収穫されたばかりの気仙沼茶豆と、電子レンジで温めればすぐ食べられる気仙沼茶豆のレンジパックなどが並べられた。
 場内を忙しそうに行き交う市場関係者も足を止めて、香ばしく深い甘みがある気仙沼茶豆の実力をその舌で確かめた。
 気仙沼茶豆は、気仙沼地方の在来種といわれている五葉茶豆という種類の枝豆で、通常、一本の葉柄に3枚付く葉が、気仙沼茶豆には5枚ある。その分、太陽の光をしっかり捕まえて、実をおいしく膨らませることができる。
 JA南三陸では、震災から復活した気仙沼茶豆を地域ブランドとして推進させ、生産と販売の強化を図り、同時に復興のシンボルと位置づけて、地域経済のいっそうの振興と活性化に結びつけたい考えだ。
JA南三陸「気仙沼茶豆」仙台中央卸売市場 宣伝会
 
《主催者挨拶》
南三陸農業協同組合 代表理事組合長 高橋 正 様
 震災から4年半。宮城県、全農様、キリンビール様など多くの方々のご支援を頂戴しながら、幾多の困難を乗り越えて、我々は本当にがんばって来たと自負しています。
 今年度(2015年度)からは農地も本格的に復旧。他地域に比べ、だいぶ遅れはしましたが、気仙沼茶豆は、ことしも甘みと香りがいっぱいのおいしい味わいに仕上がりました。
 この茶豆を、復興のシンボルとしてブランド化し、全国展開していく。一大産地にする。そういう決意で進んでまいります。
 一歩進むごとに課題が現れ、困難にもまた出遭うかもしれません。しかし、皆様のご支援においしさでお応えできますよう、勇気、元気、本気で、復興に邁進していく所存です。
《ご来賓挨拶》
気仙沼市長 菅原 茂 様(代読:気仙沼市 産業部農林課 農政係長 遠藤 秀和 様)
 JA南三陸様、階上生産組合の皆様に、本市が産地戦略作物として位置づける枝豆の生産に多大なるご貢献をいただいておりますこと、御礼を申し上げます。
 気仙沼茶豆は、震災直後の平成23年(2011年)も栽培を休むことなく本年(2015年)まで栽培が続けられています。今年度栽培された圃場は、ほとんどが津波の流入した水田だったと聞いております。気仙沼茶豆は、まさしく震災復興の証しです。ここ仙台市中央卸売市場のバイヤーの皆様に、きっと高く評価していただけるものと信じております。
 また、先日、気仙沼市内で落成いたしました2ヘクタールのトマト養液栽培施設の生産物も株式会社宮果様のお世話になると伺っております。市場との繋がりがますます緊密となりますよう、市としても県やJA南三陸様と連携し、生産拡大に向けた支援をしてまいる所存です。
 気仙沼茶豆が全国の多くの方に愛され、気仙沼ブランドとして、いっそう評価が高まりますよう願っております。
《協力団体挨拶》
キリンビールマーケティング株式会社 宮城支社長 大島 宏之
 けさ、気仙沼茶豆を頂戴しまして、香り高く甘み深い味わいに、ほんとうにおいしいなと、あらためて感激いたしました。
 私どもには「キリンシティ」という外食のグループ会社があります。また、仙台工場にもレストランがあり、そちらでも気仙沼茶豆をPRし、復興のシンボルとして、一人でも多くのお客様に召し上がっていただくことが、ブランド拡大の力になると考えております。
 ビールに合う食べ物は何々だ・・・とよく言われますが、私は逆で、気仙沼茶豆にこそビールが合うと、主役は食べ物だと思っています。今回のような取り組みによって、「食材王国みやぎ」の価値を少しでも高めていけるよう、宮城県産ブランドのおいしさを多くのお客様にお伝えできるよう活動してまいります。
全国農業協同組合連合会 宮城県本部長 菊地 潔 様(代読:全国農業協同組合連合会 宮城県副本部長 大友 良彦 様)
 震災から4年6か月。農地は全体で84パーセントが、園芸施設に限れば94パーセントが回復しております。もう少し時間がかかるところもございますが、ことし75歳になられる気仙沼茶豆の生産者の方が「あと25年はやる」とおっしゃっていました。
 私も震災直後から、JA南三陸様と一緒に園芸復興に努めてまいりました。小松菜を作っている方、花を作っておられる方、皆さん本当にがんばっています。全農といたしましても、生産者の方々の思いを汲んで、生産基盤の強化と拡大に向けて力を尽くしてまいります。
 気仙沼茶豆は、夏は海からの涼しい風に吹かれ昼夜の寒暖差も大きい気仙沼地方の気候にも合い、甘みも香りも豊かな、たいへん素晴らしい作物です。多くの消費者の方にこのおいしさと生産者の希望を伝えていけたらと思います。
《乾杯》
宮城県気仙沼振興事務所 所長 渡邉 達美 様
 先ほど気仙沼茶豆をいただきました。ほんとうに香り高く、濃厚な甘みがあると感じました。この気仙沼茶豆を、一人でも多くの方のお口に入れたいなと思います。
 気仙沼茶豆の普及拡大と、ご参加の皆様のご健勝を祈念いたしまして、乾杯!
 
 このあと、JA南三陸 営農販売課長の三浦昭夫様より気仙沼茶豆の紹介があり、茶豆の試食会とキリンビール提供の各種飲料の試飲が行われた。
 宣伝会の関係者ばかりでなく、仙台中央卸売市場で働く方々も仕事の手を休めて、茶豆が入ったカップを手に取ってその味わいを確かめた。
 「うまい。」「ほんとうに甘みがいっぱいだ。」「香ばしい。」「まだ早朝だけれどビールがほしくなるね。」
 用意した茶豆のカップは飛ぶようになくなっていった。気仙沼茶豆は市場で働く青果のプロフェッショナルたちの舌を魅了し、誰もがそのおいしさに納得していた。
《記念撮影》
気仙沼市 産業部農林課農政係長 遠藤 秀和 様
キリンビールマーケティング株式会社 宮城支社長 大島 宏之
宮城県 気仙沼振興事務所 所長 渡邉 達美 様
仙台中央卸売市場 株式会社宮果 代表取締役社長 千葉 和典 様
仙台中央青果卸売株式会社 代表取締役社長 安藤 堅太郎 様
全国農業協同組合連合会 宮城県副本部長 大友 良彦 様
《インタビュー点描》
仙台中央卸売市場 株式会社宮果 代表取締役社長 千葉 和典 様
 市場でのキャンペーンは、復興のアピールにつながるものとうれしく思っています。県内をはじめ広く発信していきたいと思います。
 被災地からブランド化を目指す取り組みを多くの団体や企業が支え、ネットワーク化していくことは生産者にとっても励みですし、復興の加速にもつながります。いろいろな角度からPRを進めることもブランド化戦略にとって重要。気仙沼はサンマやフカヒレなどで知名度は全国区です。気仙沼茶豆もまた、海産物のように流通が盛んになり、一緒に知られていけばいいなと思います。
 気仙沼茶豆は、とても味が濃く、旬を感じます。袋ごと電子レンジで温めるパッケージは、流通業者としても売りやすいものです。また、もっと長期保存できる技術の導入も検討中と伺っております。年間を通じてこのおいしさをお届けしたい。
 今はまだ、県内の販売大手さんが扱う割合が大きいのですが、生産量が増えて長期保存も可能になれば、量販店にももっといろいろな企画提案ができると思います。
《インタビュー点描》
株式会社いたがき 取締役営業本部長 氏家 智夫 様
 当社は、気仙沼茶豆の生産が始まった平成15年(2003年)からずっと取り扱っています。また、JA南三陸さんとは「春告げ野菜」などいろいろな作物で年間を通じてお付き合いしているため、知り合いになった農家の方も多く、作物についてお話しさせていただく機会もあります。
 今年(2015年)は8月中旬以降に雨が多くてちょっと心配していましたが、香りも色もよく、甘さも乗っています。きのうから店頭で宣伝会を行っているのですが、とても好評です。試食すると、ほとんどのお客様が購入します。
 名前もだいぶ知られてきていますし、地域の名前を入れた商品ということもブランド展開としてよかったと思います。そしてなにより鮮度がいい。収穫の翌日には店舗に並ぶ。先日も現地を訪ねて生産農家の方にお会いしたのですが、畑自体にいい香りが漂っていました。それだけでもう、おいしいということが分かります。
 生産者の方々とも絆を深めながら、いっそうの知名度アップに努め、私たちもがんばって売っていきたいです。
《インタビュー点描》
JA南三陸 営農生活部長 阿部 國博 様
 収穫の最盛期ということできょうは生産者の方は来られなかったのですが、ことし(2015年)の気仙沼茶豆の出来はたいへんよく、皆さん、とても喜んでいます。8月は雨の日が多かったこともあり、収量は、昨年より若干下回るかもしれません。ただ、枝豆は、実が膨らむ最後の数日間の天候が最も大切。先週の好天が幸いしました。
 味は最高です。名前と実力を知っていただくにはとてもいい出来映えで、震災以降ではいちばんの味わいと思っています。7月からずーっと枝豆を食べ続けてきた市場関係者の方も、シーズンの最後に出てきた「気仙沼茶豆」を召し上がって「やっぱりこれだよね」とおっしゃっていました。
 気仙沼茶豆は晩々生種で、いくら早い時期に播種しても、できあがるのは9月中旬です。全国的に見ても、秋彼岸のころに旬を迎える枝豆は数少ない。生産者の方の中には「お盆の時期にも出したい」という方もいらっしゃいますが、ムリしないでおこうと話し合っています。
 お盆の時期は全国どこにでも枝豆があるけれど、秋彼岸にはこれしかない。真夏はビールに主役を譲っても、秋は豆のおいしさをじっくり味わう気仙沼茶豆が主役です。
 今後は、もっと作付面積を増やし、新しい冷凍技術の導入も検討しながら、本格的に全国展開ができるようにしていきたいと思います。
2015.09.18「JA南三陸/仙台中央卸売市場気仙沼茶豆宣伝会」おわり

ページの先頭へ

第2ステージ目次へ
 
お問合せフォームに進む 協会へのアクセスご案内