<贈呈理由>
新発田中央高等学校吹奏楽部は、チャリティー・キャンペーンとしての演奏会の収益金を、1981年から地元新発田市、社会福祉協議会、児童養護施設、障害者施設、高齢者施設等へ寄付し続けている。毎年12月に開催される演奏会の入場料、パンフレット協賛広告代、また同会場でのバザー売上げ、募金をすべて寄付金とし、28年間の累計額は1,000万円を超える。
きっかけは、吹奏楽部自体が、保護者の「寄付」による楽器購入で発足できたことにある。その後、部員たちから自発的に「社会のためになることをしよう」という声があがり、現在まで続いている。
この活動は、質の高い演奏を地元の人に聴いてもらい、多くの人から寄付を集めて地元へ貢献することを目的にしている。そこには、生徒の自発的な意思を土台に、学校や教師、親の支援、行政や地域住民、卒業生の協力が存在する。
部活動の一環として始まった寄付が、同校の文化として定着し地域全体に広がっていくプロセスは、本来、青少年が持つみずみずしい感性と実直な行動が、まっすぐに周囲の人の心に入り、共感を得ることを示すものであり、同時に全国の青少年に力強い勇気を与えるものとして、『まちかどのフィランソロピスト賞 青少年部門』にふさわしいものである。