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理事長 髙橋陽子のブログ
2022.05.16
第34回
「誕生日寄付 × カターレ富山」スタート
当協会では、個人の寄付文化の醸成を目的に、自分の誕生日に感謝を込めて寄付をする、という運動を展開している。誕生日といういのちを与えられた日に感謝をし、その恩返し恩送りの気持ちを込めて、次の世代のいのちを守ろう、という意味で、困難を抱える青少年を支え、希望へとつなぐ活動をしているNPOなどに寄付をしている。
 
いのちより経済、いのちより国益、という動きが一気に高まっている昨今、その活動をより拡げたいと思い、このほど縁あって、富山のJリーグ「カターレ富山」とのコラボが実現し、5月13日にスタートした。この日、富山市で同クラブの左伴繁雄(ひだりとも しげお)社長とともにプロジェクトが開始した、という記者発表をした。そして、ゲストとして東京からオンラインで、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎さんにもご参加いただいた。
 
 
川淵三郎さんは、長年、ご自分の誕生日に寄付を続けておられる。それを称え、当協会が主宰していた「まちかどのフィランソロピスト賞」の20回目(2017年度/最終回)に、特別賞をお受けいただいた。そのアイディアを使わせていただき誕生日寄付プロジェクトを始めた、という経緯がある。川淵さんは、まさに誕生日寄付生みの親である。ご挨拶の中でも、このコラボ企画について、ご自身がカターレ富山の創設に力添えをした経緯や、Jリーグを創設するにあたって、アメリカに視察に行った折の体験などを話していただき、大いに期待していると話されていた。また、自分の誕生日だけではなく、子どもの誕生日に寄付された事例を紹介したところ、非常に共感いただき、子どもも一緒に誕生日寄付を習慣化させよう、とエールをいただいた。
 
川淵さんが誕生日に寄付を始められたときのエピソードや、アメリカ視察旅行のお話は、当協会機関誌『フィランソロピー』No.389/2018年12月号の 巻頭インタビュー に詳しく掲載している。全文をHPに掲載しているので、ぜひご一読いただきたい。
 
「誕生日寄付×カターレ富山」の寄付先は、富山県下の障がい児支援団体。障がい者手帳を持っている子どもだけでなく、グレーゾーンの子どもたちなども含む縦割り行政の狭間にいる子どもたちも応援したい、という左伴社長の挨拶があった。
 
福祉の世界では、富山型デイサービスが有名である。1993年(平成5年)に、子どももお年寄りも障がい者も、いろんな人がお互いに支え合いながら、地域の中で自分らしい暮らしを続けられるように、という思いで、誰でも利用できる場を作り、「このゆびとまーれ」というNPO活動が始まった。当初はなかなか理解が得られなかったが、努力の甲斐あり1998年(平成10年)には富山県独自の補助金が交付され、行政と連携した「富山型デイサービス」を全国に先駆けて実践してきた。
 
そんな土地柄の富山で、地域版誕生日寄付がスタートした。選手もサポーターも、地域の人たちも、他地域にいるけれど富山に縁のある人たちも、サッカーを通して故郷を応援し合う活動へと発展させていきたいと思っている。
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