2015.05.26 掲載
星 純平さん(福島県:盲人マラソン)
星純平さんは福島県富岡町出身のチャレンジド・アスリートです。富岡町は帰宅困難区域も含まれ、現在は福島市に本拠をおき日々トレーニングに励まれています。今年の目標は7月にドーハで開催される世界選手権に出場すること。3月に茨城で開催された、国際盲人マラソンかすみがうら大会2015に出場し、自己記録を4分41秒更新、T11クラス2位となりました。
2時間54分15秒という記録は日本盲人マラソン協会強化指定選手制度のB指定選手に該当します。着実に力をつけ、記録を伸ばしている星さんから、トレーニングの様子とかすみがうら大会後のコメントが届きました。

『2月下旬 福島市庭坂
純白の雪に覆われた吾妻連峰。山頂から吹き降りてくる強い風を「吾妻おろし」と言って、この時期の風はとても冷たい。僕はその麓で吾妻おろしに負けぬように、伴走者と共にトレーニングしている。(伴走者 山田泰弘さん)
ジムのトレットミルで90分間走るのも日々のトレーニングだ。まるで自分がハムスターになったかのような気分で走る。「ハムスターはこれの何が楽しいのだろうか?」などと考えたりしながらトレーニングに励んでいる。

多くのご支援者のお力をいただきながら、マラソンという方法で、失明という現実と向き合ってきました。失明という現実はたやすく受け入れられるものではなく、今日も、今も、この瞬間も、「何故?」と、自問自答を繰り返しています。しかし、マラソンを始めて、それを支えてくれる人々との出会いから、多くを経験し、多くを学ばせてもらうことができました。その中で、自問自答の確かな答えは出ずとも「それに負けない。」という強い心の力をいただきました。この場をお借りいたしまして感謝申し上げます。ありがとうございます。』
『今年も、茨城県土浦市で、「国際盲人マラソンかすみがうら」が開催された。

日々、トレーニングを重ねることで身につけてきた走る技術と、自身の心の弱さと向き合うための、強い気持ちの存在を自身の中に確かめるために、僕はマラソンに挑戦した。踏み出していく、一歩一歩の足に、自身の持つ、力の存在を感じながら、痛みと苦しさに耐え続け、自身を信じて、伴走者と共にゴールをめざし走った。
やがて訪れたゴールの瞬間。そこでは、42.195kmを走ってきた、満身創痍の僕をゴールテープが迎えてくれていた。それは、この失明と言う運命に強く向き合うための心の強さが、僕の中に確かにあることを感じさせた、熱い瞬間でもあった。
2015.4.19 国際盲人マラソンかすみがうら_2時間54分15秒_B1男子の部2位 』
奨励金はご自身と伴走者の遠征費として活用されています。福島県内では星さんを支援する輪が広がっているとのことです。盲人マラソンは必ず伴走の方のサポートが必要です。また、走っている横での声援も大きな力になるはず。星さんを応援しましょう!
(チャレンジド・アスリート奨励金 事務局)