2015.10.09 掲載
矢内菜々美 (やない・ななみ) さん (福島県:陸上)
脳性麻痺により車いすで生活していた矢内さんがスポーツに出会ったのは高校生のとき。それまでまったく運動とは無縁だったが、スラローム※という競技に挑戦し、体を動かす楽しさを知ったそうです。上達していくにつれ、スラロームではクラス分けの関係上、上位を目指すことが難しいと判断。100mT34※クラスへの移行を決意したのが約2年前。レーサー(3輪車いす)に挑戦し、徐々に記録も上がってきました。

矢内さんは福島県障がい者陸上協会の練習に参加し、住んでいるいわき市内の道路などで日々トレーニングに励んでいます。その成果は3月に開催された大分チャレンジ陸上、6月福島障害者総合体育大会、7月日本パラ陸上選手件大会、9月ジャパンパラ陸上競技大会で少しづつ表れ、今シーズン最後の北海道・東北障がい者陸上競技大会では自己ベストの記録を出すことができました。矢内さんは「最後に自己ベストを出すことができてうれしい。東京パラリンピック出場にはまだやることはいっぱいありますが、頑張ります。」と次の課題に向けスタートしています。
来期に向け、力が無駄なく伝わるように自分の体に合ったレーサー作りにとりかかるとのこと。また、パワー不足を補うため普段の食事の中で栄養の摂りかたに気をつけながらウェイトトレーニングも平行して行いたいと更なる飛躍を目指しています。
奨励金は大会遠征費、レーサーの保守費用などに活用されています。矢内さんの活躍に注目してください。
※スラローム
全長30mの直走路に置かれた赤白の旗門を前進、後進等しながら通過し、そのタイムを競い合う競技。車いす使用者のみ参加可能。電動、手動どちらも可。
※T34
両足に中等度から重度の痙性麻痺のある車椅子使用者。両手や体の機能は、ほぼ正常である。
(一般社団法人日本パラ陸上競技連盟ホームページより)
(チャレンジド・アスリート奨励金 事務局)