2015.10.28 掲載
加藤由希子 (かとう・ゆきこ) さん (宮城県:陸上)
加藤由希子さんは生まれつき左肘から先がなく、義手をつけて競技ならびに生活をしています。陸上競技を始めたのは中学生のとき。東日本大震災のときは高校生で、避難生活も経験しながら何とか競技を継続してきました。大学に入り、監督や先輩方などの指導により力をつけ、今年7月の関東身体障害者陸上競技会では砲丸投(F46クラス※)で12m47の世界記録をマーク。現在、円盤投、やり投(同クラス)でも日本記録を保持しています。来年のリオデジャネイロパラリンピックでは競技人口が少ないため砲丸投、円盤投が実施されません。10月22日からカタール、ドーハにて始まっているIPC陸上競技世界選手権大会でやり投の記録更新を目指しています。

今後の課題を伺いました。「砲丸投、円盤投と似ているのですが、体の使い方、使う筋肉が違うためやり投を中心にします。とくに肩甲骨の使い方が大事なので、意識してトレーニングし、リオに行けるよう頑張ります。」
大学では教職課程も取得し、教育実習は故郷気仙沼市で実施しました。現在気仙沼市は陸上競技場など運動施設の在り方の検討が重ねられており、競技場ができ練習環境が整えば気仙沼を本拠地にすることも考えているとのこと。4年生のため卒業論文に取り組みながら、練習に励み、来年の代表選考に向け着々と準備をしています。
加藤さんの今後の活躍に注目しましょう!
※F46クラス
1)両側の前腕部で切断(両手関節離断含む)している、もしくは先天性の奇形のあるもの。
2)片側の上腕部で切断(片肘関節離断含む)している、もしくは先天性の奇形のあるもの。
3)片側の手に最小の障害基準(MDC)に定められている障害のあるもの。
(チャレンジド・アスリート奨励金 事務局)