フィランソロピー見聞録

機関誌最新号
Date of Report:2022.2.21
久里浜少年院 社会貢献活動(2021年度)蘭の贈呈式
【贈呈式の様子】
贈呈先のNPO法人スマイルオブキッズ松尾忠雄理事長から団体の活動と、在院生へのメッセージをいただきました。
_き:2021年12月2日(木)
ところ:久里浜少年院(神奈川県横須賀市)
_力:有限会社椎名洋ラン園
2021年9月のスタート から3か月間、一人ひとりが自分の部屋で育ててきた蘭が花を咲かせ、12月2日(木)に蘭の贈呈式が行なわれました。贈呈式の会場となった教室には、在院生たちが描いたイラストなどの装飾が施され、この日を心待ちにしている様子が伝わってきました。そして、「これ、僕が描いたんだよ」と、嬉しそうに教えてくれる姿に、ここは普通の学校かな?と思ってしまいました。
 
この日の参加者は18歳~21歳までの13名。蘭の贈呈先は次の3団体。
 
 1. 近隣の児童養護施設・社会福祉法⼈誠⼼会 しらかば⼦どもの家
 2. 病気の子どもとその家族を支援するNPO法人スマイルオブキッズ
 3. 神奈川県立こども医療センター
 
在院生たちが「大切に育ててください」といったメッセージカードを添えてラッピングした蘭が、各団体の代表者に手渡されました。団体の出席者から、病院での子どもたちの様子などのお話や動画を見せてもらうと、在院生たちは、真剣な面持ちで見入っていました。
 
後日、贈呈先から届いたお手紙には、託された蘭の花を大切に育てていることや、見る人の心に安らぎを与えていることがつづられており、在院生たちは、「名前も知らない自分にこのように温かいお手紙を書いてもらって本当に嬉しかった。参加して良かった」と笑顔を見せたそうです。
◆在院生の感想の一部(アンケートより)
・花を贈呈し、いつもあった場所になくなって寂しい。フラワーショックになりそう。
・途中で手入れをしているときに折ってしまい、それまで思い入れが特にあったわけではないのですが、あまりにも簡単に折れてしまった蘭を見て「可哀そう」だと思って少し寂しく感じた。
・自分の短期間での成果が自分よりも先天的に恵まれない人たちにとっての希望となる活動に感動した。
・育てた花で病気を持って苦しんでいる子たちに元気になってほしい。くさい言葉かもしれないけど真剣にそう願っている。一時でも病気のことや苦しんでいることを忘れてほしい。
・少年院の中でも必要としてくれている人がいるんだって分かった。
・ボランティアの方が言っていた「花は一番弱い、花を育てる動物は人間しかいないという話を聞いて、人間には『思いやり』という気持ちがあって、きょうみたいに何かに貢献するということは人間らしくて気持ちのいいことだと感じた。
「フィランソロピー見聞録/久里浜少年院 社会貢献活動(2021年度)蘭の贈呈式」おわり