理事長ブログ

2019.05.07

第10回 令和時代を迎えて

5月1日、平成から令和に元号が移った。

発案者の中西進氏によると、「うるわしい平和を築こう」という意志を表すものだという。上皇さまが退位にあたり、「平成の時代が平和であったことを感慨深く安堵している」と述べられたことは、誠にずっしりと重い。戦争体験を持たないものとしては、その重みを実感する由もないが、想像をめぐらすことで、平和をより進化させていくことが、今を生きるものとしての責務ではないか、と改めて自らに問うている。

ちょうど、ゴールデンウイークに重なり、今年は新天皇即位に合わせて10連休。新潟の十日町市に行ってきた。十日町は、全国の棚田ファンの間では、聖地として知られているとか。

信頼資本財団の熊野理事長に声をかけていただき参加した。助成先を訪ね、その地の地元の人たちの町おこしや地域活性化への取り組みを聞き、対話をする「シンライノテーブル」の一環として、今回は、十日町市松代で古民家再生をし、現在、農家民宿として「棚田再生」にも取り組んでいるトロノキハウスに宿泊させていただいた。トロノキハウスは、古民家再生をライフワークとする建築デザイナーのカールベンクス氏の作。オーナーの阿久澤剛樹さん、運営管理者兼調理人で、本職は気象サービス社長の池田徹さんの最高コンビのおもてなしで、地元の地域プロデユーサーたちとの対話で盛り上がった。それにしても、持参いただいた地元料理の数々は絶品。ちょうど山菜の時期でもあり、おいしい山菜料理と新潟の各種酒の数々にはうっとりだった。 さて、棚田は写真でもご覧の通り、100年以上続いている。ただ、最盛期の20分の1になっているという。どこも同じだが、高齢化が進み、今年限り、というところも多い、と聞く。

「観光地から関係地へ」「人口密度ではなく人交密度の高い地域へ」のモデル地域にしたい、棚田再生をそのきっかけにしたいという、阿久澤さん。彼の本職はホテルアセットマネジメント。複数の外資系ホテルの運営会社の社長でもある。そのノウハウを活かして、里山アセットマネジメントを提唱。トロノキハウスを拠点とした棚田再生を核にして、2拠点居住を実践しながら、愉快に挑戦を始めている。豊かさの概念を改めて考え直し捉え直すような、土地・人・課題との出会いであり、当協会の使命と役割にとって、様々な気づきもいただいた。先憂後楽ではなく、先向共楽の時代にしたいと思う「令和」の幕開けであった。