現在、音訳ボランティアとして活動していらっしゃる方々からのメッセージです。参考になさってください。
「場数を踏み、多様な音訳を経験する」ことが重要である。
写真やグラフを読んでいると、本当に奥が深いなと思う。やればやるほど疑問が出てくるのです。どう説明していいかコトバに詰まっているとき、他の人が全く別の説明をしているのを聞いたりすることで、パアッと視野が広がって、適切な言葉が浮かんできたりするものです。
「笑う」「微笑む」「ニヤリとする」・・・・・。同じような言葉でも、主観を入れずに、どうやって生き生きと説明するか。先生のお手本を開くと、目から鱗が落ちるような気持ちになったり、視点が自分と同じだったりすると、不安が吹っ飛び自信につながるものです。
雑誌や本の中で、同じ写真に出会うことはほとんどないわけですから、場数を踏んで慣れる、多様な音訳を経験することがとても重要です。
「コレで完璧!」はない。つねにスキルを磨いていく必要がある。
突然、グラフや写真が出てきたときに、どう読んでいいか困ったことはありませんか?
誰でも苦手意識をお持ちではないですか?
なぜなら、文章を読むのと違って、「写真やグラフを読む」ことは普通はしないため、普段から練習していないと読み方を忘れてしまうからです。
対面朗読のときなどは、どんなふうにどの程度説明すればいいか、相手に聞きながら読んでいけばいいでしょう。しかし、一人で音訳をやっているとドンドン自己流になっていくと同時に、「この読み方でいいのか」と疑問や不安にかられてしまいます。
内容によっては、どのグラフをまとめて読んでしまったほうがいいか、省略してもかまわないのか、どのタイミングで読むかなど、普段から読みなれていないと適切な判断ができません。
だからこそ、日頃から練習して、他の音訳者から客観的な意見をもらったり、他人の違う読み方に触れたりして自分のスキルを磨いていく必要があるのです。
「ひとりよがりの音訳」にならないように・・・・・。
「音訳」は基本的には一人でする活動です。しかし、一人だけで活動していると、気付かないうちに「クセ」が付いてしまうかもしれません。
ですから、ある程度自分では読めると自信があても、常に勉強をして、グループで他の人の音訳を聞いたり、自分の音訳の「クセ」などを講師の先生に教えていただく研修に参加することはとても大切です。
また、実際に音訳テープや対面朗読を利用されている視覚障害者から生のご意見を聞くこともとても大切なことかと思います。
「ひとりよがりの音訳」にならないように、研修や現場の中でさらに勉強を続け、正確に分かりやすい音訳を目指していってください。