先日、奥琵琶湖から若狭に行った折に、三方五湖の一つ水月湖のそばにある
年縞(ねんこう)博物館を訪問しました。水月湖は、年縞が形成される環境として「奇跡」と言われるほど理想的な湖なのだそうです。その理由は、1. 直接流れ込む河川がない 2. 湖底に生物が生息していない 3. 時間が経過しても埋まらない ということだとか。そして、水月湖では7万年もの間年縞を形成し続けており、これほど長い間連続している年縞は、世界でも他に例はないようです。1年に一層で7万年分で45メートルの層があります。7万年の歴史のロマンを感じると共に、過去の環境と文明の関係、過去の気候変動などから未来を予測できることを知る機会でもありました。高校生や大学生も多く訪れていて、熱心に見て回る様に、若者の探求心に頼もしさも感じました。
数人の友人と訪れたのですが、その中の一人は足が悪く歩行が困難なので、車いすを借りました。ところが、その人はとても恰幅のいい人なので、その車いすが窮屈で苦しかったそうで、早々に入り口に戻って私たちを待っていました。身体障がい者の方は、ご自分の車いすを作るときは、体格や障がいの特性に合わせて作っておられるのだと思いますが、こうした公共施設などでもせめてM/Lサイズぐらいは用意してほしいな、と改めて思った次第です。
当協会では、ユニバーサルツーリズム推進の一環で、大阪・関西万博に行かれるさまざまな障がいのある方々のサポートをする企業人ボランティアのコーディネーションをさせていただくことになりました。詳細は別途お知らせしますが、今回の車いすの一件からも、意外と見落としていることが多いのだろうな、と心引き締めているところです。観光庁は2025年4月10日からユニバーサルツーリズムの普及・定着に向けて「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」の公募を開始していますが、各地・各施設などで気づいたことはどんどん声に出していくことも大事だと気付かされた若狭の旅でした。
福井県年縞博物館 公式HP:
https://varve-museum.pref.fukui.lg.jp/
水月湖