2019.01.08
第6回/「ボヘミアン ラプソディ」を観て
平成最後の年が明けた。平成の30年間、ひたすら前を見て走り続けてきた。その大半がフィランソロピーの推進に従事してきたわけだが、振り返ってみて、いったい何ができたかを考えると、はなはだ心もとない。ただ、「微力だが無力ではない」と自らに言い聞かせて、精進を続けたいと思う。
遅まきながらではあるが、ことし最初の映画鑑賞は「ボヘミアン ラプソディ」
ロックファンではなかった身にとっても、クイーンと言えば、心騒ぐ年代である。改めて今、映画を観てみると、皆が熱狂したのがうなずける。あの時、武道館に行っておけばよかったと後悔するような魅力満載の映画だった。
この映画の本質は何か?彼らが自分たちの映画を一番届けたかったのは、「弱き者、居場所のない者、悩める者、名もなき者」である。その集大成がチャリティイベント、ライヴ エイド。圧倒的な迫力と魅惑で聴かせ、見せてくれた。
少し見方を変えてみると、これはまさにフィランソロピー映画だ。ヒューマンというには、あまりにむき出しの夢と欲望、摩擦、葛藤、裏切り、そして、性と生のぶつかりが生身の人間に容赦なく突き刺さる。そして・・・、生き直すには家族・友との信頼の絆が必要であることを描いた最後のライブ。主役のフレディのお父さんが言い続けた「善き思考」「善き言葉」「善き行動」に反発しながらも、フレディは、人生の最後、それを生き切った。ライブの間中、寄付申し込みの電話が鳴りやまない。音楽と、善きことへの本気と、命を懸けた表現。寄付文化の醸成を言い続けているが、相手に届き、心が震えなければ寄付には及ばない。まだ人の心を掴む努力が足らないということだと、観念した。
そして・・・ことしは、できることからやろうと、新たな動きを始める。「誕生日寄付」の推進である。年に一回、いのちを与えられたことに感謝し、寄付をしようというもの。
「Thanks Birthday, Happy Donation!」を合言葉に1月中にはスタートするので、また、ご報告をしたい。共感してくださる方が増えると嬉しい。
「ボヘミアン ラプソディ」は、年初にあたり、心に躍動と感動を与えてくれた。我々も、少しでも共感と賛同の輪を拡げていきたいと思う。
ことしもよろしくお願い申しあげます。