連載コラム/私の視点・社会の支点
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市民マラソンとチャリティ~長い道のりを一緒に走ろう!
東京がひとつになる日
今年で5回目を迎える東京マラソン2011が2月27日(日) に開催され、3万6千人の市民ランナーが東京の街を走りました。『東京がひとつになる日』をテーマに行われるこのマラソン大会は年々人気が高まり、今年は定員3万5千人(フルマラソン3万2千人、10キロラン3千人)に対して、全体の申込者数は33万5,147人と参加抽選倍率は9.6倍にも達しました。
今年の特徴は、新たにチャリティーランナー枠が設けられたことです。これは10万円以上寄付をした個人千名が先着順にフルマラソンに参加できる制度です。チャリティランナーは特別デザインのTシャツを着て走り、チャリティランのPRもします。集まった寄付金は、“つなぐ”を共通テーマに、①「家族をつなぐ」、②「未来へつなぐ」、③「命をつなぐ」、④「夢をつなぐ」といった各分野のチャリティ活動支援に充てられます。東京都のホームページによるとエントリー総数は1月12日現在で707人、寄付総額は7,176万円あまりです。
私が以前参加したニューヨークシティマラソンやロンドン、ベルリンなど海外の大規模市民マラソン大会では、このようなマラソンを通じたチャリティ活動は非常に活発で、参加するランナーのみならず多くの企業も含めて毎年、数十億円規模の寄付が集まるといいます。
みんなでかける虹
今年(2011年)10月30 日(日)に第1回大阪マラソンが開催されます。テーマは『みんなでかける虹』で、フルマラソン2万8千人、チャレンジラン 2千人、合計3万人の大規模市民マラソンになります。東京マラソンに続き大阪マラソンでもチャリティが行われます。大阪マラソンでは、参加料(国内からフルマラソン参加の場合は1万500円)のうち500円がチャリティ募金になります。
参加者はエントリーの時に7つのテーマ(①森林をよみがえらせ育てていこう、②障がいのあるアスリートを応援しよう、③病気に苦しむ子どもと家族を励まそう、④がんを撲滅する活動を支援しよう、⑤景観を守り美化する活動を広げよう、⑥子どもたちの心と体づくりを支えよう、⑦きれいな水を飲める世界をめざそう)から支援したいテーマ3つを選択することができます。東京マラソンのような大口寄付以外にも、このようにランナー全員が参加できるワンコイン・チャリティはランナーにとって大変嬉しいことです。
大規模市民マラソンは大勢のランナーとボランティア、沿道で声援を送ってくれる数十万人の観客、一般道路の開放に協力してくれる地域住民や商業関係者など、実に多くの人たちの協力・支援があってはじめて実現するものです。多くのマラソンランナーは少しでも感謝の気持ちを表わしたいと思っているのではないでしょうか。市民マラソンを通じて一層チャリティの輪が広がることを願っています。
コラム執筆後に東北関東大震災が発生しました。犠牲になられた多くの方々のご冥福をお祈りいたします。震災後、日本国内はもとより世界各地から“We are with You”の応援メッセージが寄せられています。復興への長い道のりを一緒に走りたいと思います!