理事長ブログ

2020.04.20

第20回 これからのB.C.は Before Covid-19 か?

新型コロナ感染拡大が収まらず、当協会でも、原則在宅勤務が続いている。

しかし、慶応大・東大の共同アンケート調査結果によると、新型コロナ対策で、在宅勤務を経験した人は、正規社員の23%、非正規社員では、15.2%にとどまっている。現実には、医療関係者はじめ、交通機関、金融機関、スーパーや食料品はじめ日用雑貨店、配送業者の方々、・・・など、仕事の性質上、休めない人は多い。選択肢のある状況を与えられていることに、感謝しかない。

地震や台風などの天災は、地域限定であり、支援を求めている人、支援する側は比較的分かれていた。今回の場合、全員が被害者および潜在被害者ともいえる。人の事どころではない、と言う人もいるだろう。そして、罹患者や医療関係者への差別やいじめ、人にうつすことへの無配慮も見られる。不安は、苛立ちを生み、差別につながり、そして、更なる被害を生む、という負の連鎖に陥りやすい。

しかし、一方、山梨県の中2の少女が自分のお年玉で材料を購入し、手作りしたマスクを600枚、県に寄付し、次には、山梨大学医学部に250枚を届けたという。新聞報道がきっかけで、非難もされたようだが(善行に対する非難はいつもあるのだが)、受け取った人たちからのお礼の手紙で、気を取り直して、また、作り続けたという。日経ビジネスの有訓無訓(3月16日号)で、私を取り上げていただいたのだが、その中で、アダム・スミスの言った「公平な観察者」に触れ、意外と、子どもたちは、公平な観察者なのではないか、と書いた。子どもの言動を見ると、いつもその思いを強くする。

前回のコラムで書いた中村桂子先生の研究室で出会った、富山県が作った地図を思い出した。日本が日本海の上に蓋のように横たわっている。私たちの見慣れた地図を90度ずらしていて、何だか景色が違い戸惑うが、自分発を少し横に置いてみると、違う現実が見えてくる、という訓練になる。発想を少し変えて見ることで、新たな視界が拓ける、ということかもしれない。これからのB.C. はキリスト生誕以前ではなく、Before Covid-19 すなわちコロナ以前と言われる、という人がいる。発想の転換、行動変容を余儀なくされ、混乱の渦の中にいる私たちだが、この時期が、時代の変節点となるのは間違いないようである。

そして、B.C.からA.D.(紀元後・ラテン語でAnno Domini)へ。今後の世界を幸せな未来へと導くための「公平な観察者」に近づきたいものだ。

環日本海・東アジア諸国図

環日本海・東アジア諸国図(富山県が作成した地図を転載)

今、できることをしようと、さまざまな行動で、役に立とうとしている人たちも出始めた。それは、この厳しい現実の中で、救いであり、希望である。そして、企業からもどんな支援をすればいいか、という問い合わせが続き、当協会では、企業・NPOへのアンケート調査やヒヤリングを行っている。今、必要なこと、少し先に目を見据えて、今から支援をする必要があるもの、など、タイムリーで的確な情報をお伝えし、共に力を尽くしたいと思っている。