研修事業
自然と人、社会と人、人と人との共生社会創造のため、社会の変化に即応したさまざまなテーマを取り上げた研修・セミナーを企画しています。
定例セミナー
企業のCSR・サステナビリティ推進・社会貢献担当者を対象に、SDGs、災害支援、次世代支援、従業員の社会参画などさまざまなテーマで、先進事例を有する企業担当者や非営利組織運営者、学術研究者などを講師に迎えて開催しています。毎年度始めの4月~6月はサステナビリティ基礎講座(5回シリーズ)を開催しています。2025年11月には少年院とワイン醸造所における農福連携事業の視察、2025年3月には株式会社矢野経済研究所との共催で、社会貢献とビジネスの新地平をテーマに、シンポジウムを行いました。2024年度は13回のセミナーを開催し、延べ330名が参加しました。
業界別勉強会
同業種や同じテーマをより深めたいと考える企業間にて勉強会を実施しています。製薬会員企業では、2022年度より患者団体へのより有効なサポートや患者団体との連携を模索するため、横断的な勉強会を開催しています。2025年2月に開催された第5回勉強会では、患者支援団体と当事者にお話を伺い、望まれている支援について、共に考え、意見交換を行いました。
ビジネスと人権エグゼクティブセミナー
「リベラルアーツとして人権問題に向き合うこと」をテーマに、各界の第一線で活躍する講師陣を迎え2024年度から本セミナーを開講しています。各講座では、参加企業の皆さまとともに対話を重ねながら、人権に対する理解を深め、ビジネスが果たすべき「人権問題解決」における役割とその可能性について、改めて考える機会を提供しています。2024年度セミナー(全7回シリーズ)の座長には、編集者で京都橘大学客員教授、そしてJPA理事でもある河野通和さんをお迎えし、各界のテーマを深く掘り下げる問いかけを通じて、人権の本質についての対話を導いていただきました。講座には企業15社が参加し、経営層を中心とした参加者の多様な視点から、人権課題へのアプローチについて活発な議論が交わされ、企業として、人権とどう向き合い、何をなすべきかを考える貴重な機会となりました。2025年10月よりセミナー第2弾(6回シリーズ)を開講予定です。
顕彰事業
社会の様々な課題解決のために、また、新たな価値創造をめざして活動する人や組織を顕彰するなど、広く社会に紹介することで、共生の輪がさらに広がっていくことを願っています。
企業フィランソロピー大賞
2003年創設の「企業フィランソロピー大賞」は、社会課題解決に真摯に向き合い、自社の経営資源(人材・ノウハウ・技術・情報等)を有機的・持続的に活用した企業の社会貢献活動を顕彰しています。新たな価値創造を実践する企業を顕彰し、広く社会に発信することにより、公正で温もりと活力ある社会を次世代に伝える一助としています。2025年2月28日に開催しました第22回贈呈式では株式会社山陰合同銀行(島根県松江市)が企業フィランソロピー大賞を授与されました。
出版事業
フィランソロピーを拡げる啓発活動として機関誌・書籍を発行しています。
機関誌『フィランソロピー』1992年創刊
機関誌『フィランソロピー』(隔月発行)では、社会課題を特集として企画。様々な角度からテーマを掘り下げるための対話や問題提議はじめ、企業の先進事例や個人・NPOの活動を紹介しています。表紙には、障がいのある方々の絵画などの作品を掲載しています。
地域連携事業
社会のだれもが、一人ひとりかけがえのない存在として尊重される「居場所と出番のある地域」づくりを目指しています。
農福連携による共生社会創造事業(休眠預金活用事業)
農福連携事業は、障がい者等の就労の場として、就労を希望する方々と、担い手・継承者不足に悩む農業をつなぐ取り組みです。私たちは、農業と就労困難者をつなぐだけでなく、農福連携を通じることにより、誰もが生き生きと働ける環境づくりや、農業の発展的拡がり、生態系のバランスに配慮したエコシステムの形成、そして元気で温かい地域コミュニティの創生へとつなげたいと考えています。株式会社農協観光とコンソーシアムを組み、2023年10月から始まった本事業は2年目を迎えました。2024年度は、障がい者・ひきこもり等の就労困難者の就労支援を目的として、研修事業・先進事例の視察を行いつつ、各団体の地域性や特徴に沿って、専門家のサポートも得ながら伴走支援を実施しています。
障がい者の文化芸術支援事業
JPAは2022年度よりEXPO共創パートナーとして、文化芸術・アートを媒介にした「障がい者と地域&企業市民が融合する真の地域共生社会」の実現を目的に、2025年の大阪万博に向けて、その礎となるプロジェクトを開催してきました。大阪万博では「2025大阪・関西万博 文化芸術ユニバーサル・ツーリズムプロジェクト」に加盟しプロジェクト運営を支援しています。この活動を契機として、だれでもいつでもどこでも文化芸術にアクセスすることができる「文化芸術ユニバーサルツーリズム」の実現を目指します。
企業のサステナビリティ推進支援事業
社会貢献活動として、企業の従業員が参加できる各種プログラムを提供しています。
従業員のボランティア・マッチングプログラム
従業員のNPO等へのボランティア参加を支援しています。プログラム企画、受け入れ団体の紹介および調整、事前・事後研修、運営協力などを行っています。
1. ボランティア・マッチングサイト「ボランティアウェブ」
JPA独自のボランティア・マッチングサイトです。全国のNPOからニーズをヒアリングして掲載したボランティア活動に、企業の従業員がウェブサイトを通じて直接申し込むことができます。2024年度は130団体・194種類の活動を掲載。新規で6社が利用を開始し、計24社、延べ1786名がボランティア活動に参加しました。そのほか、個別企業のニーズに応じたボランティアプログラムを企画・掲載し、3128名の参加を受け付けました。
2. 個別企業向けボランティアのコーディネート
個別の企業ニーズに沿って、ボランティアプログラムの企画や運営支援を行っています。
従業員等の寄付マッチングプログラム「フィランソロピーバンク」
フィランソロピーバンクは、企業および企業の従業員など個人の浄財を、NPOなどの非営利団体に寄付するに際して、寄付者のご意向を反映しながら寄付先を決めて寄付をし、寄付先の事業終了後には、寄付金使途および成果報告などを行う寄付推進プログラムです。社会的支援が必要な青少年などへの奨学金給付も行っています。フィランソロピーバンクは、寄付先団体でのボランティア活動につなげるなど、参加型で「顔の見える寄付」をめざしています。さらに、小規模でも大きな社会的意義があり、先駆的な活動を実施している団体の発掘に努め、取り残されがちな課題に関しても訴求し、企業はじめ社会の関心を高めてまいります。
1. 非営利団体への寄付
2024年度は、112の非営利団体に寄付しました。
2. 個人の寄付推進事業
2024年1月1日に発生した能登半島地震への支援の輪を広げるため、「能登半島地震支援基金」を設立しました。またJPAの会員企業3社に賛同いただき、共に寄付を募り、基金は4,941,600円となり7団体へ配布しています。
3. 奨学金プログラム(個人向け)
2016年度より、社会貢献活動の一環として「遺児への教育・養育支援」を実施し、がんなどの疾病により保護者をなくした子供たちのために基金を設立。現在は創立20周年記念「東京海上日動あんしん生命奨学金制度」の公募、審査、給付金の配布を含む運営を支援しています。
個別企業の社会貢献推進
個別企業の社会貢献活動や被災地復興支援、助成事業支援についてコンサルテーションを行い、各企業に最適な具体プログラムの企画、受け入れ団体の紹介・調整、事前・事後研修、当日の運営協力まで、企業のニーズに合わせて一貫してサポートをしています。
調査支援
CSR・社会貢献における社会参画の推進に関するアンケート調査を実施しています。2014年、2019年に続き、2024年は3回目の調査として企業におけるマッチングギフトの現状と課題に関するアンケート調査を実施しました。
個人のフィランソロピー推進事業
一人ひとりの市民が社会をつくる一員として、主体的に社会参加・社会貢献するフィランソロピー社会の実現を目指して、個人フィランソロピーを推進しています。
誕生日寄付
誕生日を少し違う発想で捉え直し、与えられたいのちに感謝する日として、「子どもたちの今を支え、未来に希望をつなぐ」ための活動です。いのちを授かった日=「誕生日」に、こどもたちを支援する団体に寄付をし、寄付文化の醸成に取り組んでいます。
フィランソロピー名刺
名刺を通じた社会貢献プロジェクトです。障がいや難病など、ハンディキャップのあるアーティストの作品を名刺で紹介し、その収益の一部をアーティストや所属する団体に、また、印刷を福祉作業施設に委託することで、障がい者の就労機会を創出しています。作品の種類は100以上で、ウェブサイトの「作品カタログ」から作品を選び、お申込みいただけます。
次世代育成事業
持続可能で民主的な未来社会の創り手を育むことを目指し、社会貢献教育の次のステージを探求しています。SDGs教育への関心の高まりを背景に、従来の寄付教育を超えた、新たな学びのあり方を模索。シティズンシップ教育の一環として、持続可能な社会の担い手を育成する仕組みを構築・展開していきます。
久里浜少年院社会貢献活動「花育」
JPAは2019年より久里浜少年院在院生による社会貢献活動「花育(※)」をサポートしています。在院生が、胡蝶蘭を育てることを通して、かけがえのない命の存在に気づき、自他を大切に思うきっかけづくりとしています。一人一鉢で手渡された胡蝶蘭に、それぞれが名前を付け、自室(単独室)で開花するまで育てます。毎年実施される贈呈式では贈呈先団体が、在院生から直接、胡蝶蘭を受け取り、感謝の気持ちを伝えています。
※「花育(はないく)」:花を教材に生命の大切さや他を思う心を実感し、自己有用感・自己肯定感を高めることで非認知能力を醸成する活動
企業の次世代育成事業データベース
企業の社会貢献活動やNPOの情報等を収集・整理し、企業などが広く活用することを目的に「JPA企業活動データベース」の構築を進めています。その一環として、2024年2月に次世代育成に取り組む企業情報を集約したデータベースを公開しました。現在は47のプログラム情報を掲載しており、新規掲載のお申し込みも随時受け付けています。