一人ひとりの社会参加から

「フィランソロピー」という言葉の語源は、、ギリシャ語の「フィリア(愛)」と「アンソロポス(人類)」に由来し、「人類愛」や「博愛」などと訳されています。現代では「社会貢献」と訳されることも多いですが、フィランソロピーは、他者を大切に思う「人類愛」「博愛」をベースとして、単なる「社会貢献活動」にとどまらず、その先にある「社会課題の解決」の実現に向けて力を尽くすことをも意味しています。そして、その主体は一人ひとりの個人です。

また、フィランソロピーの核には「多元主義(pluralism)」があるといわれています。多元主義とは、「異なる信念、ライフスタイル、背景を持つ人々が、同じ社会で平和的に共存し、統治プロセスに平等に参加できる」と考える政治哲学です。

私たちは、性別、年齢、障がいの有無などその属性にかかわらず、社会を構成するそれぞれの個人が、かけがえのない存在として尊重されつつ、主体的に、いきいきと役割を果たせる社会こそが真の民主主義社会であり、「個人のフィランソロピー」こそが、その原点であると考えています。

日本フィランソロピー協会は、企業のフィランソロピー活動の支援を核に、その従業員はじめステークホルダーなど、一人ひとりの社会参加・社会貢献への道筋をつくり、自由闊達で健全な民主主義社会の実現をめざしています。

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社会システムの変化

現在、「行政依存型社会」から「市民自立型社会」へ社会システムが大きく変化する過渡期にあります。第1セクター(行政)、第2セクター(企業)に比べて小さな存在であった第3セクター(NPO・NGO)への期待が大きくなっているものの、財政基盤が弱く、実態は期待にまだまだ追いついていません。まだその力は弱く、少子高齢化が進み税収が減少する中、民間企業や市民の果たすべき役割の比重が増しています。

図:社会システムの変化

当協会のミッション

わたしたちJPAのMission(使命)は「健全な民主主義社会の実現」です。性別、年齢、障がいの有無などに関係なく、社会を構成する一人ひとりが、主体的に生き生きと役割を果たす社会こそが、真の民主主義社会であるとわたしたちは考えています。そして“個人フィランソロピー”こそが、その原点であると考えています。

その実現に向けて、JPAは企業や従業員、主体となる個人などのステークホルダーによるフィランソロピー活動の推進を核として、「より良い社会を創造するために、一人ひとりが自ら考え、助け合いながら、問題解決に向けて行動する」ことを、わたしたちのCore Value(大切にしている視点)として重視しています。JPAはそのためのコーディネーターとして、さまざまな活動を推進しています。

こうした取り組みを通じて、社会全体で一人ひとりの社会参加の機運が高まり、誰もが社会の一員として大切にされ、役割を持って活躍できる。そんな「共生社会の実現(共生社会づくり)」をわたしたちはGoal(ミッション実現のための目標)として、これからも尽力していきます。

図:ミッション