2024年11月23日(土)~11月24日(日)、東京国際フォーラムホールEにおいて、第64回全国矯正展(刑務所作業製品展示即売会)が開催された。
当協会では、久里浜少年院の「花育」ボランティアをサポートしたり、農福連携事業で、少年院や刑務所から出て社会復帰する人たちの就労支援などに関わっており、昨年に引き続き、二日目の昼頃に行ってみた。凄い賑わいで、お目当ての横浜刑務所のパスタは売り切れ。今年の全国矯正展への来場者数は、2日間でなんと昨年の1万人増で3万7,000人だったそうだ。
改正刑法に基づき、2025年6月1日から、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化される。詳細は、法務省のホームページをご覧いただきたいが、刑罰の目的として、更生・再犯防止がより強調されるようになったためだと言われている。財政面で考えてみると、少年院や刑務所は入所施設なので彼らにかかる費用は、一人につき年間200万円近い税金だとか。税収が減っていると言われて久しいが、彼らには、是非、社会復帰をして納税者として働いてもらいたい。矯正展は、受刑中にさまざまな技術や知見を得て、出所後の就労に活かすための作業訓練の賜物を披露する場でもある。61の刑務所が参加しているが、若い受刑者の多くは、小さい時の家庭環境が厳しく虐待も多く受けている。出所して社会復帰したいと思っても、家族との関係が切れていたり、自信もなく、企業側の不安や偏見などもあり、仕事が得られない、得られても続かないと、また再犯してしまう、という悪循環になっている。何とか彼らに社会復帰を果たし、社会の一員として税金を払い、社会の中で健全な市民になってもらいたいと思い、コーディネーターとして何ができるかを模索する日々だ。ただ、法務省によると、2023年の協力雇用主(刑務所などから出所した人を雇用する事業主)の数は、2万4,969件で、10年間で倍増だという。人手不足もあり、意欲のある人たちの雇用には積極的になりつつあるようだ。農福連携事業でも触法者の就労の実績を作っていきたい。
不寛容な時代と言われる昨今だが、犯罪を犯してしまった人が、罪を償ったら、再度やり直せる社会が必要だ。敗者復活が出来る社会、失敗しても許される社会は、私たちすべてにとっても安心して暮らしチャレンジできる社会だ。その為にやることはまだまだありそうだ。
矯正処遇等の在り方に関する検討会報告書:
https://www.moj.go.jp/content/001376582.pdf
岐阜刑務所の製品