公益社団法人日本フィランソロピー協会は、誰も排除されることなく、すべての人が社会参加できる機会を提供する共生社会づくり推進事業の一環として、久里浜少年院在院生による社会貢献活動「花育(はないく)」をサポートしています。過酷な生い立ちもあり自己肯定感が低く、少年院入院を繰り返してきた在院者も多い中、胡蝶蘭のお世話を通してかけがえのない命の存在に気づき、自他を大切に思うきっかけづくりとしています。
2025年度は10月20日(月)に活動をスタート。
在院生は、一人一鉢手渡された胡蝶蘭に、それぞれ名前を付け、自室(単独室)で開花するまで育ててきました。
2026年1月26日(月)、久里浜少年院に贈呈先の方々をお迎えし、贈呈式を開催しました。
贈呈式終了後は、贈呈先団体と久里浜少年院との懇談会も実施し、相互に理解を深める機会となりました。
【花育】花を教材に生命の大切さや他を思う心を実感し、自己有用感・自己肯定感を高めることで非認知能力を醸成する活動。
- 日時:2026年1月26日(月)15:00 ~ 15:45
- 会場:久里浜少年院 体育館(神奈川県横須賀市)
- 在院生人数:64名(2026年1月16日現在)
- 贈呈先:下記14団体
- 協力:有限会社椎名洋ラン園
【贈呈先】
<病気の子どもと家族を支える団体>
・神奈川県立こども医療センター (神奈川県横浜市)
・認定NPO法人スマイルオブキッズ(神奈川県横浜市)
・認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト(神奈川県横浜市)
<障がいのある人や高齢の人の暮らしを支える団体>
・社会福祉法人訪問の家(神奈川県横浜市)
・NPO法人シニアライフセラピー研究所(神奈川県藤沢市)
・特別養護老人ホーム太陽の家(神奈川県横須賀市)
・特別養護老人ホームシャローム(神奈川県横須賀市)
<難民の暮らしを支える/国際理解を促進する団体>
・神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)(神奈川県横浜市)
・NPO法人アルペなんみんセンター(神奈川県鎌倉市)
<困難な状況にある子どもや若者の生活や自立を支える団体>
・社会福祉法人誠心会 しらかば子どもの家(神奈川県横須賀市)
・社会福祉法人白十字会林間学校 あすなろサポートステーション(神奈川県藤沢市)
・認定NPO法人子どもセンターてんぽ(神奈川県横浜市)
・認定NPO法人育て上げネット(東京都立川市)
<働きたくても働けない人の就農を支援する団体>
・NPO法人農スクール(神奈川県藤沢市)
【写真左】当協会にも、昨年の「美」さんに続き、「久里浜愛花(あいか)」さんが仲間入りしました。
【写真右】胡蝶蘭に添えられた手書きのカード
◆ 在院生代表のあいさつ(国際科 日本語学習中)
部屋で花の世話をすると聞いたときに うれしかったです
蕾だったので きれいな花を咲かせたいと思いました
花が咲いてうれしかったです
調子が悪いときには悲しくなりました
今まで花の世話をしたことはなかったけれど
世話をしていて とても楽しかった
咲かすことができなくて 残念だったけれど
社会に出たら また 花の世話をしたいです
機会を作ってくれたこと ありがとうございました
◆ 椎名洋ラン園 椎名輝(しいな ひかる)さんの挨拶
在院生の皆さんに3つ伝えたいことがあります。
一つ目は、蘭の生産者として、大切に育ててくれてありがとう。
芽がつくまで育てた蘭を、みんなにバトンパスしましたが、花を咲かせてくれて素晴らしいです。
つぼみの鉢も、寄贈先で咲くので大丈夫です。そもそも蘭は温室で育てるもの。みんなの部屋で咲かせるために、愛情をもってお世話をしてくれたのだと思います。ラッピングしているときに、葉を拭いたり、箱に花が触れると大丈夫かと心配したり、その様子からも愛情が伝わりました。
二つ目、メッセージカードに「金で買えないものがある」と書いている在院生がいました。寄贈先の団体からも「お花を見て元気をもらっている」というお話がありました。
みんなが咲かせたお花の価値は、みんなが思っている以上です。寄贈先団体とのご縁も、こうした機会も含めてお金で買えない価値なのだと思います。
三つ目、蘭と同じように人生も環境が大切です。
自分に合った環境で幸せになってほしい、自分を大切にしてほしいと願っています。
【動画】活動に参加した在院生の感想
【久里浜少年院について】
少年院は、家庭裁判所の決定により保護処分として送致された少年を収容する法務省所管の施設。久里浜少年院は、「反社会的な価値観・行動傾向があるなど、非行の程度が深い少年」「外国人等で日本人と異なる処遇上の配慮を要する少年」「16歳未満の受刑者」などを対象に、健全な価値観を養い、堅実に生活する習慣を身に付けるための各種指導のほか、個別の問題性に応じた指導、日本語や日本文化・習慣を定着させるための指導などを重点的に行なっている。
【有限会社椎名洋ラン園について】
1976年、千葉県旭市にて洋蘭栽培を開始。コンパクトでありながらボリューム感もある「ミディーコチョウラン」のオリジナル品種を開発し、国内外で生産および販売を手掛ける。2014年より、学校等で胡蝶蘭の苗を育て、大切な人にプレゼントする「大切な人のために花を咲かせるカリキュラム」を開始。
ホームページ:https://sheena.ranran.co.jp

