事業報告会
第11期の事業報告会を開催しました。報告会は、助成団体の情報交換や交流を通して、共創のきっかけになることを目的に開催しています。助成事業の報告のほか、ディスカッションでは、団体運営や「就労」、「病気の開示」「若い世代の参画」が主な論点となり、当事者、親、支援者としての経験、現状と課題を共有しました。
【大阪会場】

日時:
2024年9月27日(金)13:30~16:30
会場:
田辺三菱製薬株式会社 本社会議室(大阪市中央区道修町)
参加団体:
CCHS(先天性中枢性低換気症候群)ファミリー会 東京都
特定非営利活動法人 三重難病連 三重県
大阪MS/NMOコムラード 大阪府
近畿SCD・MSA友の会 大阪府
岡山県難病団体連絡協議会 岡山県
認定特定非営利活動法人 ポケットサポート 岡山県
聴講団体:
北海道小児膠原病の会 北海道
一般社団法人日本ALS協会 岩手県支部 岩手県
全国ポルフィリン代謝障害友の会(さくら友の会) 岩手県
マルファンネットワークジャパン 愛知県
(都道府県順)
ディスカッションでの意見・情報交換:
- 働き方は多様になっていると思うが、フルリモートの仕事があれば難病患者の選択肢は広がると思う。
- 就職すること、そして定着して継続すること両方に課題がある。特に定着支援を誰がどのように担うのか。
- 就労に関しては、発病のタイミングで大きな差がある。企業に入ってから発病した人に対しては働き続けられるような制度があるが、入社前の段階で発病すると状況が厳しくなる。
- 確かに病気を知ることは怖く、受け入れるまでに時間はかかるが、事実を受け止めることで前に進むことができる。開示することでより前向きな人間関係を作ることにつながると思う。
- 子どもたちの集いを行なうと、「自己注射の時間だからちょっと行ってくるね」「私は車いすだからそこが座りやすい」など、自分の病気や状態を伝え合う先輩たちの姿を見て、初めて参加する子どもたちも「自分の病気のことを話していいんだ」というように気持ちが変わっていく。
- 活動が若い世代の人にどう見えるのか。若い世代の人たちに楽しそうと思ってもらえるよう工夫している。
【東京会場】

日時:
2024年10月2日(水)13:30~16:30
会場:
田辺三菱製薬株式会社 東京本社会議室(東京都千代田区丸の内)
参加団体:
特定非営利活動法人iCareほっかいどう 北海道
キャッスルマン病患者会 千葉県
特定非営利活動法人絵本カーニバル 東京都
特定非営利活動法人全国脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会 東京都
特定非営利活動法人難病ネットワーク 東京都
神奈川県網膜色素変性症協会 神奈川県
岡山県難病団体連絡協議会 岡山県
聴講団体:
北海道小児膠原病の会 北海道
一般社団法人日本ALS協会 岩手県支部 岩手県
全国ポルフィリン代謝障害友の会(さくら友の会) 岩手県
マルファンネットワークジャパン 愛知県
(都道府県順)
ディスカッションでの意見・情報交換:
- コミュニケーション機器について、申請から手元に届くまで半年かかることもあり、構音障害が進行してしまう。
- 申請から手元に届くまでの期間を短くするための支援、届くまでの期間にコミュニケーション機器を貸し出すといったこともしているが、機器の維持管理、財源や人手などは課題となっている。
- 薬について患者の声を届けることは重要。当事者にとってどんな剤形が望ましいか、患者自身の声を届ける機会が増えていくと良いと思う。
- 病気のことを開示するか、しないか。就労の場面でも、また恋愛や結婚などの場面でも、直面する問題。
- 同じ疾患の子どもを対象にしたイベントを行なって子ども同士がつながる機会を作っている。成長すると子ども同士で「恋バナ」をしているようだ。親に話せないことを話す場になっている。こういう同世代のつながりはとても大切だと思う。
- 就労に関しては、資格と同じくらいコミュニケーション能力も重要。(病気に限らず)自分の状況を職場に伝え相互に対話ができることが大切ではないか。
助成先
No. | 助成先団体 | 助成事業 | 所在地 | 助成額(円) |
---|---|---|---|---|
1 | 特定非営利活動法人iCareほっかいどう | 発話が不明瞭な神経難病者に対する「自分の声ソフト」活用による社会参加促進事業 | 北海道 | 980,000 |
2 | 全国ポルフィリン代謝障害友の会(さくら友の会) | 全国ポルフィリン代謝障害友の会(さくら友の会)のHPのリニューアル | 岩手県 | 220,000 |
3 | 特定非営利活動法人ワンダーアート | “アート”による難病患者の療育支援と一般社会への疾患啓発 | 宮城県 | 1,000,000 |
4 | キャッスルマン病患者会 | 医療講演会及び交流会の実施 | 千葉県 | 180,000 |
5 | 認定特定非営利活動法人 ミルフィーユ小児がんフロンティアーズ | 小児がんと難病の子どもへの支援 ~バーベキューで仲間とつながろう~ | 千葉県 | 170,000 |
6 | 特定非営利活動法人絵本カーニバル | 長期療養する子どもと家族への体験とコミュニケーション支援の改善と社会への理解促進 | 東京都 | 960,000 |
7 | 認定特定非営利活動法人ことばの道案内 | 親子で学ぶ「視覚しょうがい者との接し方」体験会 ~一緒に街を見つめなおそう~ | 東京都 | 310,000 |
8 | 認定特定非営利活動法人 全国脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会 | 4万人に届け!「SCD・MSA医療講演会・相談会」開催事業 | 東京都 | 850,000 |
9 | 一般社団法人全国パーキンソン病友の会 東京都支部港地域パーキンソン病友の会 | パーキンソン病リハビリを楽しんでQOLを向上させよう | 東京都 | 150,000 |
10 | 特定非営利活動法人筋無力症患者会 | 病気になった時に初めて読む支援冊子作成 | 東京都 | 730,000 |
11 | CCHS ファミリー会 | 全国 CCHS 医療カンファレンス開催 | 東京都 | 830,000 |
12 | 神奈川県網膜色素変性症協会 | 世界網膜の日 2023 in かながわ | 神奈川県 | 470,000 |
13 | 特定非営利活動法人三重難病連 | (1) 看護学生を対象としたサマースクール (2) 難病相談員のスキルアップ | 三重県 | 250,000 |
14 | 大阪MS/NMOコムラード(大阪コムラード) | 多発性硬化症とメンタル部分の相関関係情報提供と就労・就学のお話、そして、病状と感情の『見える化』 | 大阪府 | 650,000 |
15 | 近畿 SCD(脊髄小脳変性症)・MSA(多系統萎縮症)友の会 | 難病患者のためのリハビリテーションについてのアンケート調査 | 大阪府 | 1,000,000 |
16 | 認定特定非営利活動法人ポケットサポート | 当事者家族が病気療養児に携わる多職種とのつながりを広げる事業 | 岡山県 | 700,000 |
17 | 岡山県難病団体連絡協議会 | サルベージ・シンポジュウム 「難病患者の就労と労働環境を考え支援するために」 | 岡山県 | 300,000 |
合計:9,750,000 |
(都道府県順)
募集概要/募集はすでに終了しています。
募集期間
2022年10月1日(土)~11月15日(火)
助成対象活動
2023年4月1日から2024年3月31日までに実施され、下記1から6のいずれかに該当する活動
- 療養環境の向上をめざす活動
- 就学/就労等、社会参加を支援する活動
- 「難病」に対する一般の人たちの理解や支援を促進する活動
- 「難病」に対する一般社会への疾患啓発をはじめ早期診断医療へのアクセスを促進する活動
- 運営母体の強化(人材育成、会員拡大等)に対する活動
- その他、「田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム選考委員会」が認めた活動
※ 団体の年間事業全般に対しての支援は行いません。取り組む課題や企画を絞ってご申請ください。
※ 自団体が過去に採択された事業と同一とみなせる事業を申請する場合は、3回までを限度とします。
助成対象団体
難病患者さんの「生活の質(QOL)向上」に向けた活動を実施する難病患者団体、
家族会およびその連合組織、NPO等非営利団体を対象とします。
- 国内に主たる拠点を有する団体であること。法人格は不問。
- 2022年4月1日現在で1年以上の活動実績を有すること(前年度の決算報告が提出できること)。
- ここでいう「難病」とは「難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項」において2021年11月1日までに「指定難病」と告示された338疾患を指します。
助成金額
助成総額 1,000万円
1件の助成金額上限は100万円
選考のポイント
- 社会(環境)や患者、ご家族、その支援者の課題やニーズを的確につかんでいるか。
- 活動に新しい視点や工夫がほどこされているか(オンラインツールによる有効活用など)。
- 他団体、行政、企業、ボランティアなどと連携し、幅広いサポートを得ようとしているか。
- 事業の実現性があるか(事業計画、収支見込み)。
- 本助成金の必要性(公的支援等が得にくい活動など)。
- 同じ課題に取り組む人たちが参考にできるモデルとなることが期待できるか。
選考結果通知
2023年2月下旬 に事務局より文書でお知らせします。
助成決定後
- 団体名、所在地、活動名、助成金額を 公表 します。
- 中間報告書、活動報告書をご提出いただきます。
- 活動報告会(2024年夏以降に開催予定)にご出席いただきます。
事務局

田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム 事務局
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル244
公益社団法人日本フィランソロピー協会内
担当:宮本 栄(みやもと さかえ)
TEL:03-5205-7580(平日9:30~18:00 土日祝を除く)
FAX:03-5205-7585
Email:お問い合わせフォーム をご利用ください。
【個人情報の取扱い】
田辺三菱製薬株式会社および事務局である公益社団法人日本フィランソロピー協会は、助成金申請に際して取得した個人情報を、適切に管理し、本事業以外の目的には一切使用しません。
【団体情報の公開について】
助成金交付が決定した場合、団体名、所在地、助成事業名、事業内容、助成金額等について、田辺三菱製薬株式会社および公益社団法人日本フィランソロピー協会のウェブサイト等にて公表するとともに、田辺三菱製薬株式会社が選定する第三者(報道機関など)へも開示します。